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竜骨の谷 二十話 気のせい?勘違い?見間違い?

―― side you ――


 オレとウイは焚き木になりそうな物を集めていた。 まぁ今のオレに出来ることなんて殆どないしな。

 川の周辺には、森から流れてきたであろう枯れ木が、そこいら辺にけっこう転がっていた。


 枯れ木を拾うと、『ほわっ』とした何かが一瞬だけオレの身体に流れ込んできた……気がした。

 木を拾うごとに『ほわっ』とするから、気のせいじゃないみたいだけど。


 ちょっと不気味だな。

 まぁウイはなんとも無さそうだし、どうって事はないだろうけど。



 持てるだけの枯れ木を持って帰ると、アーズが大きめの魚を2匹捕まえて戻ってきたとこだった。


「洗濯代替わりだ。」 と、言い残すとまた川に戻っていった。


 この焚き木の量じゃ全然足り無そうだな。 オレも枯れ木拾いを繰り返すことにした。



 またオレが戻る頃には、アーズが両手に魚を持って帰ってきた。で川に戻っていった。

 どうやら人数分用意してくれるらしい。


 オレはまた枯れ木を拾いにいった。






―― side my ――


「薪は十分なんじゃない?」

「結構な量が集まったな。」


 ウイ兄とユウが張り切って薪を集めてきたけど、流石に使い切れなそう。



「おーい、でっかいカメが獲れたぞ!」

 獣っ娘達が川下から帰ってきた。

 五人がかりで担いでるカメは凄く大きい。 でも本当にカメがいたのね。

 背中の甲羅は直径1メートル以上はありそうね。 しかも、トゲトゲしくて痛そう。

 カメの頭は、イヌ耳っ娘の頭くらいあるわね。 しかも、ゴツゴツとした岩の様な皮膚が額や頬をガードしていて鎧みたい。

 死んでなお厳つい目だわ。 それにしてもどうやって倒したのかな?



「そのカメなのじゃ! そのカメがさっき見つけたカメなのじゃ!」

 え? マインが何か言いだした。

「間違いないのじゃ! マイ様から逃げたカメに違いないのじゃ!」

 は? アイルが便乗してるけど……。


 いやいや、そんなデカい筈がないじゃない! どんな見間違いをしたら、()()()()に見えるの?!

 あなた達にはアタシの可愛いらしい()()が、そんな凶悪に見えてたの?!

 それにそんなのが足元にいたら、『頭しか見えない』とか有り得ないから!



「おいおい、こんなデッカイのを一人で捕まえようとしたのか? それは流石に無理だろう?」

 ユウのバカ! そんな訳ないじゃない! ちょっとは疑いなさいよ!


 でも、本当のことは言えない……言える訳が無い。 だから、ここはこの話に乗るしかない……のかなぁ……。

「そ、そうね。 あの時はイケると思ったンだけどナー。それに、もう少し小さかったヨウに思うけどナー」

 複雑な気分だわ。



「なぁ、火を貸してくれ、一緒に肉を食おう。 これは流石に四人じゃ食べ切れんしな。」

 リーダーっぽいイヌ耳っ娘が言ってきた。 まぁ薪はいっぱいあるし、カメ肉を食べたそうな人はいっぱいいるし断る手はないわね。


「甲羅は売り払うからやれんがな。」

 ブタ耳っ娘が言ってきた。 たしかに立派な甲羅よね。まぁカメの甲羅の価値なんて解らないけど。


「あと塩があれば嬉しいんだがな。」

 ブタ耳っ娘がなんかテレながら言ってる。ちょっと可愛いくなった。


「塩はドワーフ達が持ってると思うけどね。」

「ふむ、交渉してみる。」


「アタイは塩は不要だよ。」

 ネコ耳の人はやっぱり塩はだめなんだ。


「ワタシは肉とか食べれないのです。」

「クーリクは草食だもんね。」

「ベジタリアンと言ってほしいのです。」

 ウサ耳っ娘はやっぱりベジタリアンなんだ……。


「こんなのならあるけど。」

 と、森で薬草採取がてら適当に引っこ抜いて収納してた草をだす。 ただしなんの草かは不明。 それっぽい草を抜いてあとで聞きながら調べようと思ってた物だしね。


「ちょいと失礼するのです。」

 ウサ耳っ娘は草を1つ手に取ると、クンクンと匂いを嗅ぎだした。


「すごく新鮮だし食べれそう! これ貰っても良いのです?」

「どうぞ。どうせ使い道とかわかんないし。」

「ありがとうなのです!」


 草をモシャモシャ食べる姿は、ベジタリアンというより草食ね。

 あんな草が食料になるなら、わざわざ危ない魔物狩りなんかしなくてもよさそうなのに。



「おぉ。ご馳走が揃っとるな!」

 また、臭いのが五人帰ってきた……。 ゴハンの前になんとかしないと……。



 あれ?アーズが岩の陰に隠れている……。目のあったアタシを手招きで誘ってる? なんだろう?


 近寄ってみるとアーズが顔を赤くしながら言ったわ。

「服をとってくれないか?」

 あれ? 獣っ娘かドワーフ相手だと恥ずかしいのかな?

 はは~ん。 獣っ娘の中に好みの娘がいるのね。


 アタシは洗濯したての服を渡してあげたわ。

「これ……いい匂いがするな……」

「ふふふ、そうでしょ?」

「なんか懐かしい匂いだ。」

 まぁ、洗濯洗剤の香りだしね。

「これは凄いな。古い血痕も綻びもなくなって、新品のようになってるな。ありがとう。」


「ふふん、まぁね。」

 むしろ、普通に洗濯するほうが面倒臭いかも。


「あぁ!ドワーフ達の臭いもどうにかしたいから、水浴びするように言ってよ!」


「同感だが……善処しよう。 だがアイツら水浴びが嫌いなんだよな……」

 困った顔のアーズは自信が無さそうに言った。


「なんとなくそんな感じがしてたのよね。」

 トカゲの後ろに乗ってる時から、かなり厳しい臭いがしてたんだよね。

 美味しい?食事の為にも全員の消臭はしないとね……。



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