草原の宿 二十一話 対魔物 性教育
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モルッタとマイが戻ってきた。
「野うさぎと狼の香草焼きができたぜー。」
ドワーフ達が盛り上がる。
「で、どうだったの?」
「明日、大穴って所に向かうみたい。そこで魔物と戦うんだって。でも戦力が足りないからアーズさんのお婆ちゃんに協力して貰うんだってさ。」
「アーズのお婆ちゃんってかなり高齢じゃないの?」
「アーズさんくらい若いエルフもいるんじゃない?」
「ボク達はどうしよっか。フェリーフさん以外全員出払うみたいだよ。」
「モルッタもお留守番みたいよ。」
「オレは行ってみたいな。」
「アタシも行きたい。どうせやる事ないしね。」
「じゃぁアーズさんに聞いてみようか。」
「アーズさん、ボク達も大穴に行って見たいのですが。」
「うーん、戦力が増えるのはありがたいが、ユウは止めといた方がいいな。」
「なぜです?」
「ゴブリンは魔物だからな。」
アーズが『当たり前だろ』という顔をする。
「魔物だとだめなのか?」
「そんな事も知らんのか?本当に田舎者じゃの?」
呆れるドワーフ達。
「まぁ教えてやろう。魔物には他種の女子を犯す者がおる。そして体内に魔種を植えつけるんじゃ。」
「魔種?」
「うむ。獣人種や妖精種が魔物に犯されても、魔物の子を孕むわけじゃねぇ。じゃが魔種は残る。その魔種を宿した雌が雄と子を成した時に、その種族の魔物が生まれるんじゃ。」
「生まれた子が雄の魔物なら、同種族の雌を犯し続けてな、その種族の魔物が増え続けるんじゃ。」
「魔物は成長が早い分、知性も理性も皆無じゃからな、本能のままに行動するわけじゃな。」
「じゃから、女子は魔物に近寄らん方がええ。」
「魔種がついた女子は教会送りじゃしの」
「獣人種の教会は女子の額と胸と尻に烙印を捺して、丸坊主にするらしいがの。」
「いや、それも仕方の無い事じゃて。死刑にされんだけでも儲かりもんじゃて。」
「じゃが、自決する娘も多いと聞くぞい。」
ユウの顔から血の気が引く。
「将来、ユウとマイの子が魔物になったら嫌じゃろ?」
「なんでそうなるのよ!」
「だからフェリーフさんも、モルッタさんも留守番なんですね。」
「フェリーフは、元々ここから動く気がないがの。」
フェリーフが肩を竦める。
「でも、ユウなら大丈夫だよ。そう、銀の鎧ならね。」
「確かにあのガッチガチのパンツなら・・・でもなぁ・・・『装備解除』の練習するかな・・・。」
「そうした方が良いよ。あの鎧は凄い性能なんだから。」
「付いてくるなら止めはせん。入り口の見張りが欲しいしな。じゃが絶対1人にはならん事じゃな。」
「確かにな、ワシらとて挟撃は避けたいしな。外にでた魔物が戻ってくるやもしれん。」
「行くなら、大穴に入る準備はしといた方がええ。松明くらいはな。」
「松明は戦わんでも持っといてくれるだけでも大助かりじゃしな。」
「武器にもなるしの。」
「ところで大穴の封鎖ってどうやるんですか?」
「うむ。大穴の奥はな、『魔物の巣』と呼ばれる場所に繋がっとるそうなんじゃ。」
「『魔物の巣』?」
「そうじゃ。その『魔物の巣』は摩訶不思議な場所での・・・昔、ドワーフの国に大穴が出来たんじゃ。調査隊が派遣されての『魔物の巣』に辿り着いたんじゃが、魔物が多くてな、来た洞窟からは逃げれず、隣の洞窟から外に逃げたんじゃ。そうしたら獣人種の国の近くに出よったらしい。」
「流石にそこまで広い洞窟でもあるまいしな。」
「その『魔物の巣』と大穴が繋がっとる場所を埋めれば、とりあえずは魔物は来なくなるという話じゃ。」
「また掘り返されたりしないんですか?」
「何故かしないようじゃな。なんでかはワシらにも解からん。」
「いや、大穴側にゴブリンが残っとったら、掘り返されるかもしれん。」
「そうじゃったな。じゃから大穴のゴブリンは全滅せねばならん。」
「まぁ土砂で埋めるだけで良いのか、壁を作る必要があるのか。その辺はやってみんと分からんがの。」
「最悪、国に戻って埋め方を調べるなり、やり方を知ってる者を連れてくるなりしたほうが良いかもしれんの。」
「穴を掘るのは楽なんじゃがな。」
「まったくじゃ」
モルッタを見るドワーフ達だった。
ユウの一人称を『俺』から『オレ』に変えました。




