表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
35/82

草原の宿 十七話 忍び寄る危機

-- side you --


 なんだかんだで森まで来たな。


 到着するまでにウサギを5匹(羽)も取れたぜ。まぁ俺は見つけるだけだがな。

 俺が見つけて、マイが狩って、ウイが拾ってくる。そんな感じだな。


 収穫が増えてもマイの収納に入るし楽ちんだ。籠いらなかったんじゃないか?



「確かに中央を向いてる根っこが太いね。」

「あ、ほんとうだね。」

「二日酔いでも、ちゃんと教えてくれてたんだね。」

「「・・・」」


「でもさ、景色的には余計に分かりにくいよね。」

「そうだね。」

「遭難しないだけましかもな。」

「そうだね。」


「あのキノコってどんな場所に生えてるのかな?」


「ルバイラノたけかい?」

「それそれ」

「湿気が多い場所だね。」

「あぁだから川の側か。」


 耳を澄ましてみる。水の音は・・・聞こえないな。

 というか、鳥のさえづりさえ聞こえないなんて・・・


「鳥の声も聞こえねぇな。」

「え?聞こえるよ?」

 あれ?



 突然、眩暈が襲ってきた。

 視界がブレる。いや光がブレる?またか!

 紫・青・水色・緑・黄・橙・赤

 虹の七色が視界を彩る。

 それは一瞬の出来事。

 俺は突然の眩暈にまた尻餅をついていた。お尻がちょっと痛い。


「大丈夫かい?ユウ」

「大丈夫、ちょっと眩暈がしただけだ。」


 あれ?鳥の声が聞こえる。しかも複数。

 さっきまではたまたま聞こえなかっただけかな・・・?。



 てうか、このドタバタとうるさいのはなんだろう。


「なんか、ドンドンと音がしないか?」

「してるね。なんだろう?」

「あっちの方からじゃない?」


 樹の根っこからして、森の外側からなにか・・・大きな物が近づいてくる音がする。


 何だあれは・・・。


 それは巨大なトカゲだった。


 巨大なトカゲがドタバタとこっちにやって来やがる。


「あ、あれは、なんだ?」


「でっかいトカゲかな?樹に隠れよう。」


 俺たちは樹に隠れてやり過ごすことにした。


「たしかに、でかいわね。あの大きさの獣はちょっとまだ自信ないかも。」


「でも、あれって魔物じゃないのかな?」

「魔物はいないって言ってたよ」


 近づいてくるトカゲ。あれ・・・


「あの背中に乗ってるのってドワーフじゃない?」

「え・・・あれの背中に乗ってるの?・・・本当だ。」


 トカゲの背中に鞍を付けて、手綱をつけてる・・・


「声掛けてみよっか。」

「でも、知り合いのドワーフじゃないかもよ?ボクもここからだと見分ける自信ないな・・・」


「適当な名前でいいんじゃない?ブードンとか」

「ブードンの敵かもよ?」

「城に向かってるし、敵じゃないと思うけど。」


 あれ・・・あのバッジは・・・

「あ、ルルーコ商会のバッジつけてるぜ。」

「ここからそんな物よく見えるわね。」


「まぁ、声掛けてみようか。」

「そうしよっか。」


 マイが大声でドワーフに呼びかけた。






-- side my --


「おーーーい、ブーードンさん!」


 トカゲが急停止したわ。大きい。ゾウくらいありそう。


「なんじゃお主ら、ブードンの知り合いか?」


「あ、やっぱりルルーコ商会のドワーフなんですか?」


「そうじゃ、コジーウ・ルルーコじゃ。わしゃ急いどるんじゃ。用がなきゃ行くぞい。」


「何かあったんですか?」


「この先、森を出たすぐの、竜骨の谷に大穴が出来てたんじゃ。大変な事になる前にブードン達に知らせないかん。」


「大穴ってなんですか?」


「そんなこたー今説明しとれん。わしゃ行くぞい。」


 そう言い残してコジーウはドタバタ行ってしまったわ。


 トカゲを見送るアタシ達。

「まだ、兄弟がいたんだね。」

「区別付かないな。」


「あのトカゲは馬みたいな感じかな?」

「ゾウみたいに大きかったね。」


「で、どうしよう?なんかヤバイ感じだったけど。」

「いったん、もどった方がいいのかな?」


「ちょっと面白そうだし、帰ろうか。」

「事情も知りたいしね。」


「キノコはまた今度だな。」

「うくぅ」

 その辺に生えてないかしら。




 それは突然振り下ろされたわ。アタシじゃなく、ユウに。


 振り返ると、背中から血を流すユウ。樹まで吹っ飛んでいった。


「マイ、熊だ!ファイアーボール!!」


 この大きな熊の爪がユウの背中をえぐったんだ!

 こんな近くに来るまで気が付かなかったなんて!


「ファファファイアーボール!!」


 焦ったアタシはウイ兄の言うとおりに大きな熊にファイアーボールを打ち込んでたわ。


 でも、大きな熊は毛皮がちょっと焦げたくらいしか効いてないみたい。


「ファイアーボール!ファイアーボール!!ファイアーボール!!!」


 流石の熊も火達磨ひだるまになって逃げ出したわ!

 でも、許さない。死んだユウの仇!!


「ライトニング!ライトニング!!ライトニング!!!」


 大きな熊は煙をだしながら絶命したわ。でも、ユウの仇だもの。当然の報いよ。

 アタシは目から涙がでてきたわ。

 憎たらしかったけど、あれでも弟だもの。あ、妹だもの。


「マイ!泣いてないで、ユウに回復を!!」

 ユウの背中を上に向けて抱えてるウイ兄。


「え?まだ生きてるの?」

「そんなに簡単に死なないよ!早く!」


「か、回復魔法ってなんだっけ?」

「ヒールだよ。ヒーリング!」

「ヒ、ヒ、ヒーリング!ヒーリング!ヒーリング!」

 アタシは思いっきり気合を込めて回復魔法をしたわ。ユウの背中の傷に向けて。

 でも、血は止まった感じだけど、血痕で分かりにくいわ。

「ヒーリング!ヒーリング!ヒーリング!」


「うぅ、楽になったよ。ありがとう。ウイ」

「回復魔法を使ったのは。マイだよ。」

「ありがとう、マイ」

「ふん、油断しすぎよ。」

 なんで先にウイにお礼なのよ。やっぱり憎たらしいわ。

 アタシは涙を拭いて後ろを向く。恥ずかしいので、熊の死体に近づいて熊を収納する事にした。


「ボクもちょっと油断しすぎてたよ。この森は危険だって事忘れてた。」

 そうよね。あんな凶暴なイノシシや、狼や、熊がいるんですもの。油断しちゃだめだわ。


「ユウ、コレを飲んで。」

「そ、それって・・・」

「増血剤だよ」

 ど、どこに持ってたの!?

「ま、まだあったの?」

「薬キノコ22個分だしね。」

「ア、アタシにも!」

「だめだよ。これは薬なんだから!」

 ウイ兄が本気で怒ってる。し、仕方ないわね。ここは諦めた方がよさそうね。


「うぅ」

 こんなにキノコに恋焦がれるなんて初めてだわ。


「ユウが落ち着いたら、いったん宿にもどろう。やっぱり強引にでも鎧を着せておくべきだったよ。」


 あんな面積の少ないビキニに意味は無いと思うけど。特にブラの方はね。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ