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草原の宿 十一話 相棒

-- side you --


 うぅ。便所に行きたくなって起きてしまった。


 でも、あの便所まで遠いし、何よりまだ抵抗があるな。


 深淵(Abyss)(Hole)(Lord)が無害だと知っても、まだ慣れぬ身体と状態での解放はどんなハイリスクが待ち受けているか不明だしな。

 まぁ平たく言えば『不安』だ・・・。


 ウイ兄か、マイに着いてきて貰うかなぁ。


 でも、マイに言うのはシャクだな。イザと言う時、役に立ちそうに無いし。


 ウイにするか。


 俺はウイ兄をみる。

 よく寝てるな。


 ウイ兄を起こすのは悪いが、俺がまた我慢して、同じ過ちを繰り返す訳にもいくまい。

 早めに行って、早めに戻って、また寝よう。


「ウイ!ウイ!!」

 俺は小声でウイを起こす。


「なに?」

 と、起きた上半身は裸だ。

 まぁ、寝巻きなんてないし。裸で寝てもしかたないよな。寒いわけでもないし。


「便所に付き合ってくれ。」


 ウイは眠い顔で10秒ほど考えて・・・っていうかボーーーーとして。

「わかったよ むにゃ ボクもちょうど行きたかったとこだよ。」

 と、立ち上がる。


 下まで脱いでるとは・・・

 うぐ、しかも、元俺の相棒よりちょっとだけ、ほんのちょっぴりだけたくましいぜ。


「あれ?なんでボク裸なんだ?ユウが脱がしたの?」

 なんか、顔が焦ってる。


「お、俺じゃねぇよ。自分で脱いだんじゃないのか?そこに、パンツとシャツがあるじゃねぇか。」

 と、布団の上を指差す。

 俺はウイじゃないんだ、兄の服を脱がして遊ぶ趣味はねぇぜ。


「あ、ほんとだ。ごめんごめん。びっくりしてね。」

 急いでパンツとシャツを着るウイ。


「なんで、俺がウイの服脱がすんだよ。」

「いや、ドワーフに感化されたとか。」

「ねぇよ」


 クローゼットからズボンを出すウイ。


「あぁ、洗いたての香りがするな。犯人はマイか。洗濯しといてくれたんだ。」

「お騒がせな奴だな。」

「じゃぁ行こうか。」


 二人で廊下にでる。


 なんか遠くでバタバタしてる感じがするなぁ。


「なんか騒がしいな。」

「まだドワーフ達が騒いでるんじゃない?」

「あぁ、なるほど。」


 1階に下りて、廊下をあるく。騒がしいのは無くなった。


 ドアを開け。井戸の前から便所の方にいく。そして裏手のドアがあるほうへ。


「先に行ってきなよ。ドアの前で待っといてあげるから。」


「う、悪いな。」


 ドアを開けて、中に入る・・・

 やっぱりこの『区切りの壁』の高さには納得できない。壁の高さをコスト削減する理由が解らない。


 俺の作った水溜りは跡形もなく無くなっていた。蒸発しただけだと思いたい。


 よし、今回は余裕がある。

 中に居るのは所詮は無害なスライム。


 俺は白いズボンを脱ぎ、区切りの壁に掛ける。これは念のためだ。何が起きるか解らないからな。用心に越したことは無い。


 そしてピンクの下着を下ろす。


 そう、分かってはいた、分かってはいたんだ。最初のトイレの時も、井戸で洗ってた時も。

 でも、色々ありすぎて、頭が混乱して、実感が湧かなかったんだ。

 あぁ、やっぱり相棒が居ない。そして相棒の不在を手でなぞる。


「うぅ、去らば相棒」


 そして俺はこの身体になって、初めての自由への解放を完了するのだった。


「お待たせ。」

「ちゃんとできた?」


 コクッっと頷く俺。


「じゃぁ、次からは1人で大丈夫だね。」


 コクッっと頷く俺。


「じゃぁ、ボクもしてこようかな。」


 コクッっと頷く俺。

 反対の入り口まで歩く。


 そして、ウイの後姿に、仁王立ちからの放物線を懐かしく思う。


 あの放物線を二度と絵描けないとは・・・


「お待たせ。井戸で手を洗ってから行こうか。」


 コクッっと頷く俺。


 井戸で手を洗って城の中に戻る。


 2階に上がると、まだ騒がしかった。


「まだ騒がしいな。」


「元気だね。」


 そして、部屋のドアを開ける。


『バタンっ』


 そこにはベッドの上で真っ裸で仁王立ちのマイと、真っ裸で仁王立ちのマイの相棒がいた。


「きゃーーーーーーーー」




-- side my --


 ぅう、目が覚めたら、ウイ兄もユウも居なくなってた。


 どうせ、1人でトイレに行くのが怖くて、ウイ兄に付いて行って貰ってるんだ。ウケルwww



 あれ、それにしても、なんでアタシ裸なんだっけ・・・


 あぁ、洗濯魔法で纏めて洗濯して、服着ないで寝ちゃったのか。


 男に覚醒したから、その辺、気を使わなくていいよね。


 でも、なんか変な感じ?目が覚めて。なんか変な感じ!?


 股間をみる。


 バッと立ち上がる!


 な!な!!な!!!


 凄い元気な覚醒の証があった!!


『バタンっ』


「きゃーーーーーーーー」


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