表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

20/45

020:3万年姫王解体

少しずつ、読んでくれる人が増えて驚いています。

ありがとうございます。

奴隷卿「それにさっき、救援が向かったにゃ」

戦争卿「ああ、居ないと思ったが……」

 庭園をぐるりと見渡すが、居るのは戦争卿を含めた4名のみ。

鉄道卿「先ほど、DDDの光を見た。 まあ、あの2人なら仕方ない」


魔法卿「それにしても……レイラインが確立してないのに行くなんて……」

戦争卿「ああ、かなり無茶だ。 ……肉体はバラバラだろうな……ヴェル」

 見上げ名前を呼ぶ戦争卿に答えるように、庭園に差し込む光が強くなる。

ヴェル『現在、銀河系とのラインを確立中。 完了まで後……』

鉄道卿「……あと少しか。 だが、あの2は」

 空から聞こえた声に、戦争卿は始めて笑顔を消した。

 視線の先には、表示された地球。


魔法卿「待てなかった……あの2人じゃ当然よね……」

 その場にいる全員が、一切の迷い無く納得する。

 

魔法卿「侍従総括に、殺人卿。 2人とも、ストラを好きすぎるし」

奴隷卿「にゃにゃーん♪ みんな仲いいにゃ<ピピ……ピピ……>んにゃ?」

戦争卿「どうしたヴェル」


ヴェル『報告。 

地球にて、ストラギアナンバー00、01の戦闘モード起動を確認。

 戦闘反応を確認。 交戦状態に入りました」

奴隷卿「! ストラにゃ!!」

魔法卿「それに虎龍……無事だったんだ……!」




 時は少し遡る。

 私とストラは、ようやく研究所の中枢……管理区画へと到着していた。

 研究室全体の管理を行う場所は、本来なら職員が何人も居るはず……だった。

ティール「ここもか……」

 こちらも、通路同様にアーマーを着た犯罪者がそこら中にめり込み赤い花を咲かせている。

 違うのは、さらに白衣を着ていた職員達も加わっていることだ。

 彼らはアーマーを纏っていない……

 あの怪物にかかれば、同じ運命を……いや、さらに悲惨だろう。

 

 肉体を密閉するアーマーがない分、体がそこら中に飛び散るのだから。

ストラ「……カルトーン人は、肌が赤いのだな<パチンッ>髪は白か……」

 コンソールの上で千切れた体を確認した後、指を鳴らしてすべての遺体を赤い液体へと変換した。

 ……生きているものだけじゃなく、死体も溶かすのか……


ストラ「ちゃんと対抗措置を執らなければ対象の生死を問わず、干渉出来る」

 心の映像を見たのか、疑問に答えてくれた。

 つまりは……生物に干渉する魔導ではない? 


ストラ「もちろん無制限、防御無視ではない。

 言ったとおり、対抗措置を取れればあたしは干渉出来ない」

 死体が溶けたことで、モニターとコンソールが使えるようになった。

 早速動かしてみる……機能は生きているようだ。

ティール「……このストラギアのようなもので、か」

 左腕……アーマーの下に填まっている、金の腕輪。

 先ほどのような防御力があれば……


 逆に言えば、それが無ければどうしようもないと。


ティール「なるほど、な。 各部の映像を……<ヴン……>っ……

 大きなモニターに、研究所の地図が表示される。

 複数のモニターが研究所内の映像を……

 潰された死体しか映っていない映像を映し出す。

 ……怪物の姿はない……あの一体だけだったのだろうか?

 ただの一体で、これだけの殺戮を?


 ……だったら、もしこいつらが一体だけじゃなかったら?

 ……もし、あれ以上の存在が。


 数百生み出されたら……


ストラ「……この禁止区域が、所長の城だな」


 この管理区画から、さらに下のエリア……所長や限られた者が入れる場所。

 すべての区画が、機密の文字と表示された四角に塗りつぶされていた。

ティール「……所長と副所長は、ここにいるのか?

 <ビービー>……内部は見れない……局長だけが解除できるのか」

 

 モニターにエラーの表示。 

 当然か、重要区画にそう簡単に手を出せるわけが……


アナウンス『封鎖区画のアクセスを解除します。

 ようこそ、マヌガン所長」


 ………………は?


ストラ「……よし、内部の映像を……」

ティール「待て……今何をした?」

 流石に無視できず、思わずストラに詰め寄ってしまう。

 自分を見上げる少女は、少しも表情を変えない。

ストラ「うん? その所長のデーターを偽装して」

ティール「開く鍵は、所長のフルモデル生体データーだぞ?!」


 もしこの鍵が指紋や虹彩などなら、再現可能かもしれない。

 目の前の彼女なら、もしかしたらやってのけるかも知れないと思う。

 しかしフルモデル生体データーは、不可能だ。


 必要なのは、本人かどうか。 言葉にすれば単純だが、実行するなら逆……困難を極める。

 すべてが必要なのだ。 指紋や虹彩は当然、内臓のすべての形や配置。

 体内電気……脳波のパターンも含まれる。

 些細な動作の癖なども含まれ……人体そのものが鍵となる。

 今は見えないが……つまり彼女は、所長の肉体そのものを……


 もしそれを再現したというのなら……


ティール「……人体の完全な模倣? 人体の……作成? そんな……」

 目の前の少女は……怪物は。

 恒星連邦でさえ研究段階の、完全な人体の作成を行えると?


 神の領域を侵す。 作り出した人体の人権など。

 数々の社会的な問題のみならず、単純な技術不足によって今だ不可能な領域。

 今だ誰も到達し得ない……人体の創造を……

 それを……

ストラ「王国の技術なら出来る」

 彼女の国とやらは……

ストラ「あたしはあたしだけで出来る

 ……一体、こいつは……


?『いやだぁぁ!!』


ティール「?!」

 突然の男の悲鳴……重要区画のモニター?

ストラ「……こいつが、所長だな」

 画面に映っている白衣を着た初老の男。

 白髪に赤い肌の典型的なカルトーン人だ。

 相対し、叫ぶ男……恐らく、雇われた犯罪者だろう。

 顔の部分だけヘルメットが外され……体を拘束しているあの赤い触手は?!

 

?『なんでだ?! なんで俺達を……!』

マヌガン『最初からその為に雇ったのだよ。

 本来の役目を果たすだけだ。 何も問題は無いだろう?』

?『罪を免除するのは嘘……』

マヌガン『真実だとも。 現行の法律で、死者を裁く法は存在しない』

 

 死を告げる神のように、ゆっくりと男に迫る。

 醜く悍ましい笑みで、手を男の手に伸ばして……

?『<ぴとっ>ひっ……はっ……はぐ……あ……』

 恐怖のあまり浅い呼吸になり、声も出せてない。

 一体何が……何をする……

マヌガン『肉体にこそ罪はあり<ググ……>』

?『やめ……あ<ずりゅ……>』

 

 何だ……男の額から何かが……

 半透明の……塊?

ストラ「……なるほど」

 隣にいるストラが、何かを知っている?


ティール「これは一体何が<ズバンッ>……え?」

 不可解な……いや、これは……切断の音。

 何かが切られた音? どこから?

ストラ「……<ズリュ……>」

ティール「なっ?!」

 横を見た私が見たのは、ストラが……ばらける瞬間。

 長い金の髪が、少女の体が輪切り……え?


ストラ「<ドチャッ>」

 一瞬で、金髪の少女はバラバラに。 地面に崩れ落ちて赤い血を散らす。

 自分のアーマーの足にも飛び散って……

怪物「うあぁぁ……う」

 あまりの事に固まりかけた私は……

 声に気が付く……あの怪物?! いつの間に……?!

マヌガン「君は……ああ、確か最近副所長と一緒に入ってきた……」

 声は、怪物の背後から……この声は?!


マヌガン「こちらを見ている奴がいるから、部外者から取り合えず殺したが……

 お前は一体誰だ? 何をしている? どうやって認証を突破した?」

ティール「マヌガン……所長」

 現れたのは……画面の向こうにいたはずの、マヌガンだった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ