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015:3万年姫王は恩返しする事を決める

 なるほど……と、あたしの中でいろいろ納得がいった。

 2040年代突如広められた、フラクトロン。

 社会の基盤となり生活に欠かせない存在になった今でさえ、疑問を覚える人は多いのだ。


 この技術は、地球上のものではないと。


 こんな事をいう人も、一人や二人ではない。

 エンドレスファンタジアを婦英していた自分自身も、この技術の高さには疑問を持っていたのだ。

 その疑問が解決し……そして。


ストラ「(まあ、彼女のやる事に協力するのは今更変わらないが……)

 どうやら、彼女とファンダリア公国には恩があるらしい。

 

 ……正直、あの地獄を味わった原因でもあるが、結局あれは自信の不注意でもある。

 それよりも、虎龍と娘……あの世界を与えてくれた事の恩が非常に大きい。

 ……彼女の国が、あたしにすべてを与えてくれた……か。

 縁とは、面白いものだな。


ストラ「(……さて、どうやって恩を返すべきかな?)」

 差し当たっては、彼女が困っていたら助けるくらいで良いか?

 フラクトロンで得たものは、数多い……本当に。

 できる限りの事は、したい所だが……やり過ぎはよくないな。

……出来る事があれば良いな。


ティール「……ファンダリアと地球が、技術供与をするようになって暫く。

 突如、ファンダリアが隣国カルトーンの侵略を受けた」

ストラ「急にと言う事は、戦争になり得る状況でなかったという事か?」

 戦争というのは外交の失敗……いわば政治の敗北だ。 

 昨日今日いきなり起きるようなものではなく、数ヶ月……下手をすれば数年前から。

 ゆっくりと火がくすぶり、消化に失敗した時結果として戦争が起こる。


 彼女曰く、どちらかと言えば良好な関係を気づけていたらしい。

ティール「何より奇妙だったのは、軍にそれらしい兆候が無かったことだ。

 …そこ、足下に注意だ」

ストラ「どうも。 ……つまり、カルトーンは準備も無しに戦争を?」

ティール「そう言う事になる。 ……我が国も弱くは無い。

 政治的にも陛下達に不備はなかったし、防衛もしっかりしていた」

ストラ「急ごしらえの軍に、そうそう負けはしない……しなくとも、防衛は出来ると」

ティール「……だが、そこに恒星連合の他国が介入し、カルトーン側に付いた」


 ……はい?

 侵略側に加担? 同じ連合に入っている国を攻めている側に?

ティール「戦況は一方的になった。 私は最後まで陛下や王妃様、姫様をお守りしたが……

 脱出の船を護衛中、艦砲射撃を体に受け……運良く目覚めたときにはすべてが……」

 

 歩みが止まり、体が震えている。

 随分壮絶な戦いだったようだ……いや、それより……

 守るべき主を守れなかった悔しさ、か。


ティール「陛下、王妃はお亡くなりに。

 姫は連れ去られ……公国はカルトーンの支配下となっていた。 

 私は公式には、死亡扱い……

 連合に抗議しようとしたが、その度にカルトーン軍に命を狙われた」

ストラ「模範解答かよ。 随分と後ろ暗い事がおありの人達のようで」

 もし自分たちに正義ありとでも宣うなら、彼女を裁き処せば良い。

 それをせず秘密裏に葬ろうというのは、明らかに何かを隠している。


ストラ「何か、以前から睨まれるようなことは?」

ティール「ない。 そもそも、何かあれば恒星連合の会議で言えば良い。 

 昔からそうしてきたし、カルトーンも同様だった」

 少なくとも、自分の所属する所のルールは相手も守っていたと。


ティール「地球との交流や技術供与も、何も言われていない。

 そもそも、自国の領域内の事だからな」

 なるほど……うん?

ストラ「……領域内?」

ティール「そうだ。 この太陽系は、ファンダリアの領域内にある。

 支配しているわけでは無く、その範囲内に要しているだけだが」

ストラ「地球で知られていないのは、宇宙にでられないから?」

ティール「たまたま……だろうな。

 他の国では、もっと前段階の文明でも早い内から交流を持つ場合もある」

 それは以外。 原住民の文明レベルが低いから駄目とか、そういうものかと思ったが……

 ルールがあると思いきや、国ごとの裁量で決まるのか。

 言い方は悪いが、結構ざっくりしていたようだ。


ティール「身を隠して、つい最近。 ここに姫がいると言う情報を得た。

 負傷の傷が酷く限界だった私は、すべてを捨て……この体になった」

ストラ「そして、ここへと至ると……よく入れたな」

 敵の……それも、救出対象のいる場所へピンポイントに近づく。

 かなり難しいはずだ。

ティール「その点は、むしろ簡単だった。

 ここに送られるのは、正規兵ではなく……犯罪歴のある者達なんだ」

ストラ「……? ここは、どういう場所なんだ?」

 件の姫がいるのなら、そこそこ重要な場所のはず。

 なのに軍人では無く、犯罪者を?

ティール「研究施設だ。 だが、正規のではない。

 マヌガン・クァイブル。 ここの所長だが……」

 イメージが出てくる……おお、こちらが見る前提を意識してくれたのか。

 ……うっわ。


ストラ「意趣返し?」

ティール「さてな。 ……見ての通り、非人道的な実験を繰り返す凶人だ」

 イメージの中には、恐らく資料もあった……まあスプラッタだった。

ストラ「分野は?」

ティール「精神に関する魔導を研究していたようだ。

 だが、今も同じかは分からない。 私達も出会ったことがないんだ」

ストラ「誰も?」

ティール「副所長のラティズだけのようだ。

 彼も、私と同時期に着任した。 指示も彼から受けている」


 マヌガンは研究に専念……か。

ティール「所長は、犯罪者……倫理観に乏しい者を募集していた。

 かなりの頻度で募集がかかっていた……だから罪状を偽装して潜入できたんだ」

ストラ「犯罪者がわざわざ雇われてやろうというのだから、条件があるんだろう?」

 犯罪を犯すような……倫理に乏しい者がわざわざ来るのだ。

 それに見合うだけの、何かがある。

ティール「1年やりきれば無罪放免。 報酬も出る。

 しかも、侵入者が女なら……」

ストラ「好きなように出来るお得なおまけ付き。 一発逆転、失うものはない。

 賭ける価値はある、と。 ちなみに達成率は?」

ティール「本人の生活のために、一切秘密だそうだ」

 

 ・ここでは、正規の軍人を雇えないような秘密がある

 ・所長はマッドサイエンティスト

 ・任務をやり遂げた人間の詳細は一切秘密


ストラ「死んでるな」

ティール「ここで全員死んでいるなら、秘密にすれば絶対に見つからないな」

 

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