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勇者は冒険の書を消して魔王を目指しました  作者: 赤コーラ
1章 武練科魔王学院編
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58話 ウルロアは迷いを振り払った

遅くなりすみません(´・ω・`)


「行くぞぉ!」


俺はまず右手だけにゴリラの百獣魔法をかけ、右脚にカンガルーをかける、そのままカンガルーの脚力でランドリに接近し、ゴリラの腕力が宿った右手で顔目掛けて振るう、しかしやはり顔を少し左に反らし、避けられる。


「それはもうわかっていたさ!」


俺はカンガルーの脚力を速力だけではなく、攻撃に使う、その脚力でランドリの腹目掛けて蹴りを入れようとするが、後方にすぐに下がられてこれも当たらない。


「まぁすぐには攻撃は通らんか」


「少しは先は見るようになったな、ではこちらも攻撃していこうか!」


ランドリは今度は光を纏わせる、火傷と光で見えにくくする役目があるのだろう、避けるのは不可能だろう、だが今の俺なら視覚以外の4つの感覚がある、俺は目をつぶり、拳が振るわれる風圧を感じる触覚、聴覚を感じる。

いくつもの風を切る、どころかパンという音がする、ソニックブーム、つまり音速で振るわれている、しかしそれを俺は──攻撃で迎え撃つ、ゴリラではあれには追い付けない、ゴリラの百獣魔法を解除して、脚にかかっているカンガルーを手にも付与する。

俺は両手両足全てを使ってランドリの攻撃に攻撃をぶつける、さすがに聖天拳という籠手をはめているランドリに対して俺は素手、かなり痛くはあるが、なんとかなっている。


「ほう、やるな、昔なら一発で終わっていたものを、ライガ──ラインハルトのもとで強くはなったようだな」


「ワフフ、やるさ、どこまてもなぁ!」


この身体は無理をできる、俺は更に攻撃を加速させる、音速の域までいき、拳と足が悲鳴をあげる、それでも俺は我慢して、拳を振るう、数分経っただろうか、それとも数時間、それでも俺はランドリの隙を見つける、俺は攻撃をくらうことを前提に左手にゴリラ、いや、それでは鈍重で避けられる、ならここは虎だろう、俺は虎の百獣魔法を左手に付与する、そのオーラの爪を目の前にいるであろう、ランドリに振るった・・・。


「・・・攻撃が止んだ」


俺は目を開ける、そこには胸を大きく切り裂かれたランドリが・・・座っている。


「・・・何故座っている」


「いやなに、お前が目を開ける前、倒れていたさ、俺は人間だ、今ので限界が来てしまった、そして今、お前の攻撃を待っているわけだ」


「・・・そうか」


俺は拳をランドリに振るう・・・その右横に。


「・・・なんの真似だ」


「死にたいんだな、ランドリ・・・兄さん」


「──あぁくそ、もうわかってしまっていたのか」


「あなたは・・・俺達を救っていた、今までも同じようにね」


「・・・そのまま知らなければお前の兄は被害者であり、俺は復讐の対象だったんだがな」


「あんたが開いてくれたんじゃないか、ランドリ兄さん、あんたは昔からやることが雑だよな、本気でやらないとバレてしまうが、本気でやれば今までの俺なら殺されていた、そんなことわかっていて、こんな結果になったんだ」


ランドリは顔をしかめた後、顔を上げてあきらめた表情で語りだした。


「・・・あぁくそ、もういいか、お前に全部話すよ、まずお前の兄は野心家だ」


「だろうね、ほとんどそれを知る時は記憶を消されまくっていたからな」


「お前の兄、ベオは正直言って百獣魔法、人間の力を嫌っていた、それに加えて実力では子供だったお前ら二人に負けていたというね、リュカ、女に負けていたのがかなり自尊心に傷がついていったんだろう」


「そして、ベオ兄さんは呪いに手を出したんだろ、あの人は魔法に関してはかなりのものだった印象だからね、特に支援 弱体、記憶消去から軽い改竄、身体機能低下から感覚鈍重なんかね」


「よく知っていたんだな、まぁ試合のとき使って差が遠くなっていくのを誤魔化していたから当然か、そしてあの日にやつは手を出した、強力な呪いの魔法、呪法に」


「呪法・・・噂程度だが、代償を払うのがほとんどのヤバい魔法らしいな」


「そうだ、それを半端な手段でやつは使い、リュカを殺そうとした」



「──あぁ、来たな、リュカ」


おれもその時裏から見ていたからわかる、ベオはある呪法を扱うやつに唆されて呪法を学んだらしい、噂だとその時まで思っていたんだがな。


「お兄ちゃん、いったいなにを?」


「お前が・・・お前らみたいな化け物が、俺より強いやつがいるせいで父さんの次の族長になれないじゃないか・・・だからさ、死んでくれよ!」


やつは呪法を詠唱しだした、とても複雑な言語で、さすがの才能だなと思った、戦闘技術が基本のフェンリオンじゃなければ大成していたんだがな。

だが教えたやつはかなりゲスだったんだろう、一部を間違えて教えたんだろう、実際のところわからないからだろうが付くのは勘弁な、そして・・・。


「な!、なんでだ、一言一句間違えてねぇはず──ギャァァァァァ!!」


呪力が呪いが溢れ、リュカだけではなく、里全体を覆った、俺やウルロア、リュカのような耐性がなければそのまま衰弱して死んでいた、俺は完全な呪力耐性があったからいいがリュカとウルロアは長い時間受ければ死んでいた、だから俺は駆け出して、ベオを・・・胸を貫いて殺した。



「と、いうのがあらましだ」


「・・・ベオ兄さんが、そこまで・・・」


「残念か」


俺は悲しげにしていたが、すぐに・・全てを受け入れ、迷いを振り払った。


「いや、大丈夫だ」


「・・・ところで、お前、人の顔になっているぞ、けもみみは生えているが」


「え?」


俺は顔を触る、確かにツルツルとしていて、鼻も人だ、いつの間にこんなことに、目をつぶっている間か?」


「・・・人の血が強くなったんだろうな、まぁいい、さて・・・そろそろ限界だ」


突然、まわりの空間にヒビが入る、次の瞬間、割れて・・・真っ黒な人の形の何かが這い出てきた。


「・・・なんだ」



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