55話 ウルロアは怪しい手紙を見て、その場所に向かう
(´・ω・`)なんか何時もより文字がびっしりだけどかんにんして
「へぇ、こんなものが・・・」
自分の前には二枚の手紙がリビングのテーブルに置いてある、今自分とウルロア カナ シエルが集まっている、ハクは寝ている、手紙の内容の一つ目は次の種目の参加リストだ、個人戦とタイトルに書かれており、参加するのはウルロア ハク オーマンドと書かれている、うむ、かなり怪しい、まず公平のために当日以外に種目の知る術がないわけで・・・いや、他に手段がないわけではない、例えば十王の1人なら可能かもしれない。
「さて、もう一枚は・・・なんだこの文字、何語?」
「それは俺のところの・・・ライカンスロープ語、フィンリオン文字とも言われるものだな」
「ほう、ウルロアは知ってるようだな、で、なんて?」
「・・・十王都市近くのダンジョン、ミッドナイトウォーカーの最奥にて待つと」
ミッドナイトウォーカー、確か最奥以外は暗闇でできているダンジョンだったか、うーん、こっちも怪しい、ただ持ってきたやつは白だからなぁ、悪意が無かった、つまり書いたやつでも関係者ではないわけだ。
「で、筆跡は?、一度取り乱したんだ、知ってるやつなんだろ?」
「・・・ところどころ違うが・・・ランドリのものだな」
「・・・?、あいつってライカンスロープじゃないだろ、なんでその文字を・・」
「・・・この際だから言っておくか、どうせ隠していても仕方ないからね」
「別に言わないまま言ってもこちらとしては困らんが」
「いや、言う、もしかしたらこのまま・・・帰ってこない可能性があるしな」
「つまり死ぬ気か?」
「死ぬ気はないがそうなる可能性があるとだけ・・・始めに言っておく、俺の本名はウルロア・フェンリオン、10年前に滅んだ元魔貴族だ、ヴェアローは人間の母の姓だ」
・・・まぁ薄々そんなところだとは思ってはいたな、あそこまで強いやつが努力だけであそこまでは考えにくいからな。
それからウルロアは語った、10年前に起きた、惨劇を。
・
「──どうして、どうしてなんだ!ランドリさん!」
ウルロアとランドリはいわゆる義兄弟、母が連れてきた拾い子で年が10も離れていたがまるで本当の兄弟のように暮らしていた、
その時のリュカも元気に暮らしていた。
ウルロアとリュカには兄、長男がいた、名前はベオ・フェンリオン、時期フェンリオン当主になる予定だったらしい、性格も真面目で誰にも優しい、優秀でその時17であり、学院にて生徒会長をつとめる完璧な魔族だった。
しかし全て過去の話、10年前、それは起こった。
ウルロアが目を覚ますと、妙なくらい静かで虫の声すら聴こえない、ウルロアは飛び起きて、外に出る、そこには倒れた仲間の姿があった、静かに眠るように倒れてはいるが呼吸音が聴こえないことから死んでいると実感し、ウルロアは恐怖した、そして何故自分が無事なのかを考えるより、リュカのことが心配だった。
五感をフルに使い、リュカを探した、何時もより聴こえにくい感じにくいなどあったが場所を見つける、場所はアルスを祀る教会、ウルロアはそこに向かって走っていった、扉が開いており、中に入ると・・・そこには倒れ伏す父と母、まだ呼吸をしているリュカ、そして・・・ベオ、兄がランドリの聖拳によって心臓を貫かれた姿が目に入った。
「・・・来たな、ウルロア」
落ち着いた様子でベオの胸から手を引き抜き、ウルロアに見るランドリ、ウルロアは怒りに任せてランドリに向かっていった、そこでウルロアの意識は途絶えて、次に目を覚ますと、ウルロアは床に倒れており、起き上がると、そこにはもうランドリの姿はなかった、そしてまだ呼吸をしているリュカを見つけ抱き寄せて、大きく遠吠えをした、怒りと悲しみが混ざりあい、ウルロアはここでランドリに復讐を誓ったのであった。
「・・・なるほど、そういう理由でか、で、何が原因かわかったのか?」
「・・呪いだそうだ、強力な呪いで耐性がないものなら一瞬で永遠の眠りにつくほどの」
「そうか・・・で、今からか?、もう23時くらいだが、今から行くと・・・近くといっても今のお前ではあのダンジョンはきつくないか?」
「だからこそ今からだ、呪いで鈍ってしまっている五感だが人並み以上はある、絶対にたどり着くつもりだ」
「嘘かもしれんのにか?、たぶん第四の差し金だぞ」
「それでもだ、それでも俺は・・・やってやるつもりだ」
「・・・カナ、シエル、どうする」
「拙者からは何も、親しくはなりましたが、私事に関わるほどではないでござる」
「シエルも、応援はするけど止めないよ」
「だ、そうだ、行ってこい、そして・・・戻ってこい」
「──えぇ、戻ってきますよ、死んでもね」
ウルロアは最後に笑顔を見せると、宿舎から出ていった。
「・・・さて、後は待つことにするか、帰ってくるのを」




