35話 ハルトはハクの生死を決める
「・・・あれ?」
ハクが目を覚ます、するとすぐに心臓の辺りを触る、まぁそこは既に自分がデッドライフで治したわけだが、致命傷なら神の一撃さえ治せる、致命傷ならね。
「なんでわたし、生きているのー・・・」
「あぁ、自分が治した、2~3分くらい寝ていたな」
「なんで治したのー・・・」
ハクはちゃんと自分を見て悲しそうに目を潤ませている、どうやらアザートの精神は眠った様子、しかし神力も眼も見えるようになっていることから今のハクの状態が正常の状態なのだろう。
「なんで!、わたしを殺しにきたんでしょー!」
今度は立ち上がり、自分の服を掴んで怒鳴るように言ってきた。
「・・・情が沸いてしまったんだろうな」
「情?」
「そう、情、というより過去にお前に似た・・・というより瓜二つに近いやつと会っていてな、自分の中の数少ない情が沸いてしまった」
「・・・そうなの、神剣は今どこにー」
「それなら、今後ろで疲れて人間の身体で寝ている、神の力でないと殺せないんだろう?」
「・・・だけど、まだもう一人いる、メアリーさん!」
そうハクが叫ぶと、扉を開いてメアリージェーンが出てくる、それと同じくらいにウルロア シエル そしてボロボロのミリアが姿を見せる。
「ハーイ・・・と、言いたいけど、ごめんなさい」
「え?」
「今のワタシの破壊の聖天眼、アナタの紛い物とはいえ神の身体を殺す域にはいかないわ、数千年は長すぎたのね、全盛期ならできたかもしれないけど」
あぁ、やはりメアリージェーン、何千年生きていたか、生まれた時から姿を見てきたが変わらなすぎるからそうだろうとは少し思っていたが。
「・・・なら、今のもう一人の神剣の所有者を探して―――」
「させない、それにあの女は紛い物でも神を斬ろうとは思わんだろう、あらゆる神に感謝しているやつだからな」
「なら、わたしはまた・・・」
自分の服から手を離して、うずくまる、元のハクは死にたがりだったんだな。
「・・・お前は何のために死にたいんだ?」
「なんのためって・・死にたいのに理由が必要?」
「あぁ、何に絶望した、何に逃げたいんだ、何に後悔したんだ」
「・・・わたしはもう疲れたの、もう何千年も生きたけど、力のコントロールもできた、アルス・パウロナも掌握した、その構成員はもう消滅兵器の糧だけど、もう生きすぎたのー」
「その消滅兵器ってなんだ?」
「それは私が言おう」
ミリアが手をあげる、何か制御装置で知ったんだろう。
「四神兵器の一つ、消滅兵器 アザトース、限界まで溜めれば、世界を夢のように消しされる兵器」
「なるほど、ならそれでハクは殺せるのか?」
「ヨグスが言うには、不可能らしい、そもそもアザートが使おうとしていて逃げないんだからそうなんだろうね」
「まぁ、だろうね、ハク」
「なにー」
「・・・自分の仲間になれ」
「・・・え?」
「あの力はあるだろう?、なら――」
「ハルト、シエルにはそれは照れ隠しに見えます」
「・・・」
―――ヤバイな、コイツこんな時に限って察しがいい。
「あー!!、もういい!!、好きになったんだよ!」
「ふぇ!?」
うん、自分もハクも顔真っ赤、耳まで真っ赤、すっごいシエルがニタニタしている。
「―――はは、そうですか、なるほどそうですか・・・あはは!」
「笑うなよ、自分でもどうかと思ってるんだから・・・」
「いえー・・・一つ、約束してください」
「なにさ」
「・・・わたしを人生に疲れさせないでください」
「・・・あぁ、ただ絶対とは言えないな、その時は・・・まぁ俺の手で殺してやるさ」
「えぇ、お願いしますー」
「―――で、その娘、アザートのセーフティは第一学院が匿うの?」
まぁそうなるな、ミリアさんのところは人間どころかホムンクルスすら殺そうとする連中いるからダメだし、他も姿形が人間だからなぁ。
「なら、わたしに考えがありますー」
そう言ってハクは立ち上がって、自分自身の頭に触れる、すると頭から悪魔のような角が生える。
「そんなんできるのか・・・」
「これで、いい感じですねー、ただ力はアザートと比べると、半分だから戦力としてはそこのウルロアと同等ですー」
「お?、俺と同等とか言ってくれたな、おら早くやるぞおらぁ!」
その数分後、白い触手に胴上げされている白目をむいたウルロアの姿があった。




