34話 ハクは過去を思い出す
今回は文章多めです(´・ω・`)
「おぉ!、成功だ!、成功したぞニャルラウト!」
「良かったですね、良かったですね、アンビエント所長」
お父さんの喜びの声、ニャルラウトの抑揚のない喋り、その中に微かに黒い感情をのせているのが少しわかる。
―――あぁ、これは走馬灯ってやつかなー、そうだったー、わたしはいわゆるアザートのセーフティ、本来地上での完全な無音での睡眠だけが喜びの狂気的な睡眠欲求を持ったアザートの第2人格、ハクライヤ・ルルイエ・ラブクラフト、アンビエントお父さんの一人娘、それをアザートに精神だけを移植して今のわたしとなった。
移植からの生活はわたしにとって苦痛だった、耐久実験、薬物から戦闘などなど様々なことがわたしを苦しめた、1ヶ月でわたしの精神にヒビが入り、そこからアザートが・・・。
(ねー、苦しいんじゃない?、このまま眠りたくないー?)
わたしの頭にそのような声が聞こえる。
「あなたは・・・もしかしてアザートって言う人ー?」
(そうだよー、あれから一睡もできてないんでしょー?、もう寝たらいいよ、寝れば全てを忘れられる、寝れば身体が元気になれる、寝れば・・・欲が満たされる)
「―――そうだね・・・わたしもう―――疲れちゃった」
あのとき前に言われた頭に声が響いたら逆らえっていうのをお父さんに言われたけど、いろいろと疲れていたからそのままアザートに身を委ねてしまったわけだよ。
そして、次にわたしが目を覚ますと、そこには床に倒れて、消えていく叫んでいるお父さんと研究者の人達、そして消えた人達に残された聖力 魔力をすいとっていく小さな白い玉、消滅兵器――確か名前はアザトースだったっけ、それが強い光を出しながら存在していた、そしてそれを見て抑揚のない笑い声をあげるニャルラウトと・・ニグラ―――お母さん、そしてそれを空中で眺めていたのがわたし。
「―――え?」
わたしはそのまま落下し床に倒れ、また頭に声が聞こえてくる。
(あはは、おはようハク、よく眠っていたね)
「これは・・・なんなの」
(簡単な説明をするなら・・・あなたを苦しめていた連中を消した、あなた愛されてないどころかあの父親、生まれた時から道具として見ていたよ、だから消滅兵器の糧にした、クズでも使いようってね)
「でも・・でもこんな」
(あなたが望んでいたのよ、全て無くなればいいって)
「それは・・・わたしは・・・わたしは・・」
(・・・あなたって本当に欲を抑える娘ねー、いや、欲を知らなすぎるのかしら、そうだ!、数百年も眠れば全てを忘れれるし、精神も元気になる、更にそれくらい経てば魔族でも人でも住むでしょう、その間に・・・わたしはそうねー、アルスっていう教団に睡眠欲求を教示にしている、確かアルス・パウロナっていうのがあったわね、そこの大司教にでもなりましょう)
「・・・わたしは」
(ん?)
「わたしはあなたを許さない!」
わたしはアザートの力を使い、白い触手で自分自身を拘束した、たとえどんな理由でも、わたしはその時、なぜそうしたのかわからない、お父さんのことは嫌いだった、だけど・・・こんなことをしたいほど憎む気持ちはなかった、だからわたしはせめてお父さんのためにも・・・この存在を野に解き放つのはしてはいけないと心から思った。
(ハク!?、貴様なにを――)
それを見計らったように、わたしの頭に、光の矢が通り抜ける、それが撃ち抜いたのはわたしは理解した、神の力、いや紛い物なのだから偽神力といったほうが正しいそれを破壊したんだ。
「せ・・成功ね、さすがに物体でないに加えて紛い物でも神の力を破壊するのはさすがに堪えるわね」
左目をおさえて、その人はどこからともなくわたしの目の前に現れた。
「あなたは・・・」
「ワタシ?、ワタシは―――シジマ・アキト、ここの探索にきていたしがない冒険者よ、とりあえず逃げましょ!」
「え?・・・あ、はい!」
わたしは困惑しつつも、難なく、わたしはアキトさんにつれられて研究所から脱出した、ニャルラウトとお母さんは・・・あのあとどうやらアルス・パウロナの司教になったと後で知った、わたしはその後研究所から離れた開けた森の中でアキトさんと話した・・・。
「アナタ、これからどうする?」
「わたしは・・・この力をコントロールするために、アルス・パウロナに行きます」
「・・・いいの、アナタ今でも、不老不死に近いわ、神の力のコントロールなんて並大抵の年数でどうこうできるものとは思えないわ、それになんでアルス・パウロナになんて」
「そこはルルイエの人と通じていますし、比較的自由に動けます、それにどんなことがあっても耐えられますし死にませんし、この身体は。それにしても・・・よくご存知なんですね、わたしのこと」
「―――アナタ、その身体になる前のこと、覚えている?」
「この身体になるまえ・・・」
今でもそれは思い出せない、たぶんわたしをこの身体に移植するときに無駄な記憶は捨てられたのだろう。
「覚えてないですね、もしかしてアキトさん、何か知ってる?」
「いえ、知らないならいいわ・・・知らないなら、さっきのご存知かっていうと知らないわね、初対面よ」
「?、とりあえずはわたし、なんとかしてみせます!、死なないなら何年でも、今のわたしは眠りさえしなければ弱ったアザートを抑えることができますので」
「でももし・・・アナタでも抑えられないほどアザートの力が取り戻すことになったら・・・」
「その時はお願いします」
アキトさんは一瞬悲しそうな顔をした後、笑顔で「わかったわ」と言って、去っていきました、そしてわたしはアルス・パウロナに向かった、そこにたどり着くまでに5年ほどかかりましたが、なんとかなりましたー、あぁ、ついつい油断すると伸ばしてしまうのはアザートの影響ですね・・・そこでニャルラウトとニグラと合流したわけです、そして50年でわたしは大司教になり、100年でわたしはある一つの、わたしの偽神力のほとんどを使ってヨグスを誕生させた、いくつにも分身と黒い物体の創造ができる力でわたしを支え、補佐となってくれた・・・。
それからも―――わたしは眠らずコントロールをあわよくばアザートの消滅を考えて行動していた・・・しかし、どうにもできない、というのが答えで、少しずつわたしはわたしを保てなくなっていってしまった・・・油断するとアザートがでてくる、そんなことが数えるのが面倒なほどの時間が流れていった。
―――あぁ、やっと、やっと思い出したよ、全てを、今までのことを・・・あぁ、神剣、神を殺せる唯一の武器、それでわたしは・・・死ねる。




