16話 ハルトは他学院生徒と合流できた
「おぉぉぉ―――おぉぉぉぉ!!姫よ!」
他学院の一組・・・蝙蝠の紋章の紅い制服の男がアリアンナのほうに走り寄っていって、なんかキメポーズをとってきた、黒い翼、ぎらりと輝いている八重歯のような牙、吸血鬼で間違いなしだろうな。
そしてアリアンナは今まで見たことない不快感をあらわにした表情をしている。
「おぉぉ!!、何時見ても損なわれない美貌!、服の下からでもわかる容姿!、溢れてくる魔力!、やはりこの五魔貴族の一柱!、ヴァンピローゼの次期当主(候補)!ブラドナルド・フォン・ヴァンピローゼの嫁にふさわし――」
アリアンナの手に触れようとしたヴァンピローゼと名乗る男をシャルネスが横から殴りつける、どっかのハンバーガーの店みたいな名前の男は二回転ほどした後に、ふわりと着地して髪をかきあげて、ウィンクしてくる・・・なにこいつ心がピンク、いろんな色があってレインボーモザイクだわ、やだ直視したくない。
「なんの真似かね?、シャルネスよ、もしや嫉妬かな、まぁこのブラドナルドの美貌を前には――」
「やかましいわナルシスト、アリアンナさんに触れるな見るな近づくな息をするな、第三学院に入学して少しはマシになったかと思ったら悪化してんじゃないわよ」
「HAHAHA、シャルネスもおかわりないねぇ、サーニ!ウーニ!、薔薇の準備を!」
「「はーい」」
後ろに控えていた・・・これは吸血鬼ではあるが翼の大きさも牙も小さめだな、従者であるんだろうが一応強いのだろうな、あの・・・なんだったか、マ●ドナルド?もな、ヴァンピローゼ、ゴルゴレアと同じく人間侵攻に大きく貢献した貴族、そんな貴族が吸血鬼の従者から2つの薔薇の花束をシャルネスとアリアンナに渡す、シャルネスのは普通の赤い薔薇だがアリアンナのは鮮血のような紅の薔薇だ。
「それはクリムゾン・ローズ!、我がヴァンピローゼが育てる特別な相手に渡す薔薇だ!、シャルネスに渡したのは普通の薔薇だ、ふふふ、この討伐作戦が終わったら二人とも我が花嫁に――」
「ふん!」
シャルネスはその薔薇を眼鏡を外して石にして男に投げた、それを男は無駄に回って避けてまたキメポーズをする、うーんこの。
「なぁ、なんだそいつ、シャルネスとアリアンナは知ってるようだが」
「あぁ、それは私が説明するよ」
どうやらアリアンナが説明してくれるようだ、あっちでシャルネスが殴り蹴り、男が回って避けてるのを尻目に。
「あの男とシャルネスは幼少の頃からの付き合いでな、私も含めて・・・どうやら私にゾッコンで、シャルネスは許嫁だからついでで嫁にする予定だ、そして見ての通り仲が悪い」
「うむ・・見ればわかる」
「―――ずいぶんと楽しそうであるな」
今度は馬の紋章の制服の下半身が馬、ケンタウロスの男が自分に近づいてくる、楽しそうに見えるかなぁ・・、後ろからついてくるのはマーメイドとミノタウロス、そしてコボルトだ。
「小生はボーダンス・フォン・ケイローディ、第二学院から参上した」
ご丁寧に四人ともお辞儀をし、「では」と言ってシャルネスと男の喧嘩?を止めにいった。
「あの人も魔貴族で幼少の頃からの付き合いね、あともう一人、いるけどまた話すわ」
「ほう・・じゃああの女のドラゴニュートのことは知ってるか?」
自分は最後に残った真ん中に人 右左に羊の紋章の制服の壁にもたれかかっている平均より結構小さい少女、制服を着てなければ幼女にも見えるが明らかに放っている気配も心も尋常ではない強者の者だということを感じ取れる、そして他の学院と違い二体のホムンクルスのみであり、戦闘は彼女一人といった感じだ。
「あの子はミリア・フォン・ドラグレッター、元私の妹、魔貴族最強のドラグレッター家の当主よ」
「元ね、やっぱり養子だったんだなバアル様の」
「後悔はしてない、私はあの人のもとにいくと決めたから」
「・・・そうか」
その話が終わるころ、シャルネスと男の喧嘩?が終わり、椅子に座っていた緑の髪の鬼の男が口を開く。
「もう喋っていいかね」
なんか・・・自分ではないがすまんかったわ。
「よく五魔貴族の方々がここまで集まってくださり感謝している、改めて俺がリフラスの長、フージー・リフラスだ、ゴホゴホ・・」
「「お父さん!?」」
ファイリーとアイシャーが駆け寄り、何かに気づいたのかフージーの服を捲った、その下の腹には大きく血が滲んだ包帯が巻かれている。
「こいつはまた・・・」
自分はデッドライフを出現させ、フージーの腹にそれを触れさせる、が、傷がいっこうに治る気配がない、むぅ、今の自分ではまだデッドライフの全快がだせないことがここで響いてくるか、普通の怪我ではないことがわかってよかったとも言えるが。
「この怪我、誰にやられた?」
「・・・妻・・に、擬態した男だ、妻も俺に擬態したやつにやられて寝込んでいる、鬼でなかったら死んでいたところだ」
「ふむ、では話の本題を早いところ言って寝ないとな」
「それもそうだ・・・やつらは北の巨大な遺跡の中に潜伏している、そこにいってやつらを討伐してくれ」
「・・・わかった、早いとこ見つけて倒して傷を安心して治せるようにしているといいさ」
「助かる・・・」
フージーは安心したのか、そのまま気絶してしまった、だがまだ心に不安がある、それを取り除くためにもその遺跡に入らんとな。
「さて、行くか、その遺跡とやらにな」




