帳場にて、尋問大会
2人が寝てる間(夜の終わりは腕の中で)の小話。
結局、所長はどうやっても引き剥がせませんでした。
これだから無駄に発育した人ってのは。
仕方がないので、奥の間に布団だけ敷いて、2人まとめて放り込みます。目が覚めるまで放っておきましょう。
さて。
帳場に戻った私の目の前には、あの場から回収してきた怪しげなアレやコレやが並んでいます。例の壁は、砕けた端から溶けるように消えてしまったので、回収できませんでした。
被害者の皆さんは官憲にお任せするとして、見つかったら面倒なことになりそうなモノを残しておくわけにはいきません。
液体の入ったガラス瓶、燃えカスの残る香炉、粉々の蓄音機。
そして、狆。
リ「なんだこのちんちくりんの犬。」
狆「ちんちくりんとはなんじゃ!」
音としてはきゃんきゃんとしか聞こえませんが、思考でお話は聞けそうですね。
チビを含め3人で壁際に追い詰めて、お話しすることにしましょう。最優先は使われたクスリのことですね。所長の治療方針を決めませんと。
数「それで?この瓶の中身ですけどね、何入れたんです?」
狆「誰が言うか!」
猫「無理やり抜き出してもいいんだよ?」
狆「だから何故キサマがいるのだ!この星のどこにも本体らしき気配はなかったというに!」
猫「あ、もしかして。気配の強いとこにいると思った?」
リ「あー」
数「ですよねー」
狆「なんじゃ、キサマら。揃いも揃って」
リ「それ、無理だぞ?コイツの本体、この星サイズだし。」
狆「は?」
猫「いやー、ここのごはん、美味しくてさー。」
狆「ななななな」
猫「食べ過ぎちゃった♪」
リ「そういうわけだ。逆らわない方が身のためだぞ?」
狆「ハイ」
数「さ、この中身のこと、話してください?」
狆「アヘン、入れました。」
数「それだけじゃないですね?」
狆「港に落ちてた黒っぽい麦と」
リ「なんだそれ。」
数「カビた麦ですね、人が死ぬやつです。」
狆「山で見つけた赤と白のキノコを」
リ「あからさまに毒キノコだな。」
数「殺る気に満ちてますね。」
狆「刻んでから酢と油と混ぜて」
猫「親油性物質と酸性物質の抽出だね。アセチル化も期待できるしイイ線行ってる。」
リ「良くねえよ。」
狆「油の層をアルコールに溶かして、濾してから煮切って」
リ「精製濃縮してんじゃねえ。」
猫「まあまあ。そのキノコは水に溶ける成分の方が危ないから。油の方で良かったんじゃない?」
リ「血管にぶち込むってのはどうなんだよ。」
数「廃人どころか死体一直線でしょう。普通なら。何がしたかったんです?」
狆「だってキサマら強そうだったから。」
リ「限度ってものがあるだろ。」
数「とりあえず、安心しました。」
狆「は?」
数「意外と普通の毒ですね。」
狆「へ?」
数「水分摂らせて抜けば大丈夫そうです。」
狆「そんなもんなの?」
リ「身体強化だからなー。」
猫「そこまで強くしたつもりはなかったんだけどねー。耐えちゃったねー。」
数「気の持ちようですかね。」
狆「なんなのコイツら」




