表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/212

3-10 俺、奴隷商人に教わる。


「いや、こちらこそ、え? だよ兄ちゃん。まさか知らなかったの?」


 知らんかったわ。全然気づかんかったわ。

 弟の背中でぶるぶると震えるコドモトカゲニンゲンを見ると多少痩せこけてはいるもののそれでもうりうりうりって無理矢理撫でまわせそうな頬、今までがどうにも命の危機ばかりだった為か世界中を警戒するようなツリ目、己に内包された人々の怨嗟の声に晒されてきたストレスから半分白く色素が抜けてしまった髪。

 おっぱいの方も幼子というのもあり判別できなかったし。

 それらが合わさって擦れたクソガキにしか見えなかったが、まさか女の子だったとは。


「知らんかったわ‥‥‥。いや、逆に聞きたい弟よ。いつこのクソガキが女の子だって気付いた?」


「へっ! いつって? いつって! そりゃあアレよ、あの時だよ・・・ほら、いつかのあのタイミングですよ・・・」


 おい、なんでそんなに言いづらそうにもじもじする弟よ。

 ―――まさか、超えちゃったりするのか、一線?

 え、こんな子供と・・・一戦交えて一線超えたの?

 クソロリコンじゃん! っつかぺドじゃん!

 弟に対する評価が揺らぐ。

 確かに己とかより他人を助けたりするあたりに一個の生命として欠落を感じてきたことも何度かあったけど、そういうのは違う。


「いや、兄ちゃん? なにか勘違いしてない?」


「カンチガイ。シテマセンヨ」


「おいクソ兄ぃ! なんで後ずさってんだよ!」


「ムキニナッテコエヲアラゲルモノデスカラ」


「って遠いよ! 遠い遠い、どこ行く気だよ!」


 などと、弟の性癖暴露に引いていたら、観念したようにため息をついて。


「ほら、トイレとか、一緒にいくじゃない?」


 クッソつまんねえ正解を俺に告げた。


「ほら、このコの発作がいつ出るともわからないからヒモをほどくわけにはいかないからさ、行水とかも一緒にしたりもしたしさ」


 それらの暴露がよっぽど恥ずかしいのか、まくしたてるかのような早口で、問い詰めてもいないのに釈明するかのように俺に説明する。

 コドモトカゲニンゲンの世話の一切を弟に任せている以上、きっとこれが真実なのだろう。


「あの‥‥‥お話の方は一段落しましたか?」


 赤面する弟をしり目に、あまりにも話が脱線するもんだから、奴隷商のおっさんが痺れをきらしたようだ。


「ああ、もう大丈夫だ。ホントにこのクソガキ、女の子だったんだな」


「気づいていなかったんですか。老婆心から忠告しておきますが自分の所有物の正当な価値は知っておいたほうがよろしいですよ」


 まさか人の道を踏み外した奴隷商により良い人生路の歩き方を諭されるとは思ってもみなかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ