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2-7 俺、赤面する。

「兄ちゃん?」


「ああ、大丈夫。聞こえてる。えーとな、このコドモトカゲニンゲンが自殺する理由なんだけどな、なんでも声が聞こえるみたいなんだよ」


 嘘をつく時の悪癖である早口になっている自覚はある。

 でも治んないんだもん。しょうがない。このまま押し通す。


「声ってどんな?」


「そこまではわからん。ただ死にたくなるような言葉だ。ろくなもんじゃねえのは想像できるな」


 コドモトカゲニンゲンにとっては未知の原語で自分の事を話し合っている。

 自分より大きなニンゲンという敵性生物が己を拘束し尋問してくる。

 客観的に見ても恐怖心しかわかない状況だ。


「ああ‥‥‥あああ」


 思い出したようにコドモトカゲニンゲンがうめき声を上げ始めた。

 声帯のどの部分を使えばそんな声でるの? そんな声。


「きこえる、きこえる。やだ。いやだ。やめて」


 さぞかし盛大に耳元で断末魔を叫ばれているのだろう。

 目を見開いて拘束されて動くこともできないというのに構わず暴れまくり、じたばたと断末魔から逃げるように身をよじる。


「はぁっ!」


 見ていられなくなって、俺はコドモトカゲニンゲンの後ろ首元を手刀で叩いた。よく漫画とかで一瞬で意識を刈り取る例の手刀である。


「いやぁ!! やめ!!いやああああああああああ!!」


 ただ、武術などまったくやったこともない素人である俺の手刀で意識を刈り取れるかというとそんなわけなく。


「何してるの兄ちゃん?」


 ただただ恥ずかしいことになるだけだった。


「いや、いったん気絶させようと思って‥‥‥」


 さらに俺の失態を解説させられるという羞恥プレイも相まってただただ恥ずかしい。


「ああ、そういう事ね」


 そして俺のやりたかったことを理解した弟がそれはそれは見事な手刀をコドモトカゲニンゲンに叩きこんで意識を刈り取った。


「そう。それがやりたかったんだよ、俺はっ!」


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