十四話 圧倒的
「・・・ん?」
「あ!お前、目覚ました!?ってか重い!」
佐奈が重い瞼を開くと息を切らしている暁がいた。担がれて暁が今走っているというということだ。
「え?何やってんの?」
「見たらわかるだろ!逃げてんだよ!」
「え?」
「バケモンが来たんだよ!」
「暁でも勝てないってこと?」
「手負いのお前いたら無理だわ!てか俺は呪いで「闇より黒く」しか使えねえ。呪い解けれたら五分五分レベルなんだよ!とりあえずお前を安全な場所連れてく。お前心臓刺されてるから。俺の力で延命させてんんだよ!」
暁はそう一気にしゃべった。佐奈は静かに目を閉じた。
「へー陽影出たんだ。死ぬじゃん。」
紅白のジャージに黒の長ズボン、切れ目の目に根元が白色の黒髪をした男が言った。
「楽響、お前はどうするんだ?」
「死体の後片付けかな。」
「それは私の役割だ。」
「あっそ。じゃあ簡単にそこらへんの奴ら洗脳しとくね。」
「音楽教師に変装か?」
「そんなところさ。」
男は言い残すと闇に消えた。
あ、俺死ぬかも。暁がそう悟ったのも無理はない。目の前にいる怪物に抗う術など皆無に等しいのだから。
「君、強いね。」
陽影はそう淡々と言った。
「あんたに言われるといい気分しないな。」
と暁。その顔には焦りが見える。
「はは。癒医と対等だったら強いよ。あのサイコキラー。」
「お前は心臓突き刺しただろ。」
「残念。少し下だ。」
「そこも計算済みだったわけか。」
「そうだ。ねえ君、仲間にならない?」
「どうせ殺されて操られるのがオチだ。」
「ん~先見の眼。死に急ぎしようか。」
「黒龍・黒を吐き回れ」
暁の影から黒の龍が顕現し、陽影へ突撃した。
「空の窓を開く者」
陽影が右手と左手の人差し指と親指で直角を作り、手同士を遠ざけた。
「空何てほざいてるけど、影なんだよね。」
陽影が指で作った直角四角形に影が生まれる。
「行くよ。」
陽影がそう言うと同時に黒龍が影に飛び込んだ。




