十二話 激突と激震⑦
「砂漠の流れ者、ロバート・デザーツか。あ~もうだりぃなあ。」
暁が怒りの声を上げる。
「くっそ。こいつが倒されてるってあいつどんなんだよ。いや・・・だが、デザーツは癒医より魔力総力が高いだろ。つまるところ、あいつ以上の化け物があいつの仲間にいるんだな。くそが。」
暁は舌打ちをした。
「うわ~美味しそう!」
キムチ鍋の前で弓削佐奈は舌鼓を打った。
「そういえば暁は?」
「戦ってるよ。」
悠真がアッサリ答えた。
「へ~っていうか、小座間君天才っ!」
「いや、これ能力じゃなくてただ作っただけですけど。」
「・・・え?」
「・・・何かあれですか?」
「ええええええ!能力無しでこんなに美味しくなるの!?」
「黒扉・狭間の紐づけ」
その瞬間、部屋の背後から黒い扉が出現し、扉から暁が飛び出した。全員が振り向く。暁はその部屋で起きていたことを視認すると、般若の如く顔を怒りに歪めた。
「クソガァー!お前等人が命懸けで戦ってるのにキムチ鍋かよ!ぶち殺すぞ!」
「まあ、まあ。」
「まあ、まあ。じゃねえよ!弓削借りるぞ!」
「いいよー。」
「アアあぁぁ!」
暁は去り際に左手の長い中指を立てた。
「暁ひどくない?」
「俺はお前の能力が料理系じゃないことに物凄い違和感を覚えている。」
「そう。で、連れ去りの理由なに?レ〇プ?」
「規制を入れようか。ロバート・デザーツの相手だ。」
「ロバート・デザーツ・・・」
佐奈が繰り返す。
「砂漠の流れ者?」
「ああそうだ。」
「無理なんだけど。」
「拒否権はない。そろそろつくぞ。」
暁の黒扉は移動中に時間差が生じる。だが、それは体感であり実際は一分の違いもない。そして、その体感時間は暁により自在に変えることができる。つまり、黒扉は緊急の作戦会議室である。
「ほんじゃ、ドアを打ち破ってドドーンっと!」




