十話 激突と激震⑤
「あ、ちなみに言うけど僕戦闘系じゃないよ。」
悠真が緊張感の欠片もなしに癒医と狩喰に向かって言った。
「あ、そう。てか、あんた誰?」
癒医が不審者を見る目で悠真をにらむ。
「いや、僕が戦うんじゃないよ。」
「え?」
「出番だよ。暁。」
そのとき、天井から人間(暁)が降った。
「ほんじゃ、よろしく。」
「任せろ!」
「闇より黒く」
「あ、やばい。狩喰、避けろよ。」
「分かりましたよ。」
「黒炎・闇夜に舞うは黒き炎」
「消し飛べよ。」
「先生やばいって!」
校庭へ逃げ出した蒼が言った。
「大丈夫大丈夫。」
「楽観的なヤローだな。」
「つーか、あれが能力?」
「yes.あ、だけどお前等助けたわけじゃないぞ。」
「?」
「悠真を助けたので、お前等は自分で何とかしろ。」
「はあ?」
「ライオンの檻に人間放り投げるのと同じだろ。あ、暁はカバだぞ。」
「失礼だな。俺糞まき散らしてるか?」
「撒き散らしてたら事件ですよ。」
と玲。
「正論論破イェーイガー」
「イェーガーな。」
「さて、茶番は置いて戦ってきますわ。」
「goodrack!」
「おーい狩喰。どうす・・・」
屋上で狩喰に声をかける癒医の喉元を暁の蹴りが掠った。
「当たらんか。」
「今時の若男に騎士っていう言葉はないのか?」
「残念。子宮に忘れてきたよ。」
「あ、そう。」
癒医はそう言うとメスを手にした。
「死ね。」
癒医はメスを暁の右目に向けて刺そうとする。
「黒手・影から出でる黒子の手」
暁の背後から黒に染まった身の丈と同じ程の手が癒医のメスを握った。
「ははは。随分と戦り難い能力だ。」
「お互いな。」
双方は口角を上げた。




