アロハ
36度8分。
下がってきてる。
そろそろ他の国にも行きたいし、出る準備でもするか。
何かしていないと落ち着かない。あと、安静にしているだけだと日記に書くことがない。
もうこれ、日記と呼べるか分からないけれど。
『相棒〜、もうちょっと安静にしてた方がいいんじゃね〜?無理すんなよ』
「お前には言われたくないな。共有してんだろ?体の辛さとかも」
『え?……あ〜、ほら、【俺】鍛えてっから』
同じ体だっての。お前が鍛えてたら、オレの体も鍛えてることになるだろ。
『次はどこの国に行く?』
露骨に話題を逸らしやがった。
嘘つくの下手だなぁ。
「決めてねぇ。お前はどこ行きたいんだ?」
『じゃあインド行きたい!本場のカレー!カレーイッツワンダホー!』
英語も下手すぎだろ。ワンダホーって…。
せめてデリシャスだろう。
インドか…。少し遠いが、まぁいいだろう。
ええと…地図で見れば、フィリピンから左。つまり西の方角にあると思われる。
ちなみに、日本が中心にある世界地図を使っています。
「よし、ならインドに行くか」
どうせいつかは行くつもりだったのだ。
…オレもカレー食べたいし。ってか作りたいし。
そうと決まれば早速準備だ。
と言っても、食べ物と着替えと、ケータイさえあれば何もいらないのだが。
着替えか…。オレ以外誰もいないし、別にそれも気にする必要もないな。いっそアロハでも着るか?着てみたいことは着てみたいのだから。
フィリピンにもアロハシャツは、あるのだろうか?
少し探してこよう。
久し振りに外に出た。風邪で動けなかったから。
陽射しが眩しくて、思わず目を逸らした。
くそっ、太陽め…。引きこもりの敵だ。
別に引きこもりたくて、引きこもっていた訳でもない。
散歩がてらにアロハシャツを扱っていそうな店を探す。
思いっきり話題を変えるが、今日はいい天気だ。
フィリピンは降水量が少ないので、基本的にはいい天気らしい。降水量が多かったところに住んでいたオレからすれば羨ましい限りだ。
海にも入ってみたかったなぁ。まだ微熱なので入れない。
あ、あった。アロハシャツが売っていそうな店が。
海沿いに少しずつ行ったところに、デカデカとあった。
失礼します。声には出さなかった。
おぉ!いっぱいある。感嘆のため息が漏れた。
アロハに感嘆のため息が漏れるのもおかしいなものだ。
でも、アロハシャツを初めて見たのでそれくらいは許してほしい。…誰に言い訳してるんだか。
にしても、アロハシャツにも色々あるんだな。
これとか良さそう。黒地の布に、白で模様が描かれている。
こいつに決めたぜ!いけっピ◯チュウ!
…おっと、言ってはいけないことを言ってしまった。
服にも一目惚れがあるものなんだな。ビビッときた。
オレの妖怪アンテ◯がこれだと訴えてくる。
ゲゲゲの◯太郎だ。
早速試着室に入って着替えてみた。
自分で言うのもなんだが、似合っている。
オレのセンスが光った。
ズボンは黄色のパンツを選んだ。そして靴も履き替え、見た目涼しそうなサンダルにした。
『元気いいなぁ、何か良いことでもあったのかい?』
やめろ!確かにアロハで浮かんだのは、オレもその人だけれど!言っちゃダメなやつでしょ!
『ぱないの!』
ぱないね!お前のその強気な態度。今、ちょうど映画化してるけれど!見に行ったけれど!ダメでしょ…。
ゴホ、ゴホッ。
あぁ、ほら。まだオレも病み上がりなんだからツッコミ入れるだけでも大変なんだから、ボケるのもそれくらいにしてくれ。
それからも、なんやかんやで色々ありまして、アロハを手に入れた。
*************
次は食べ物だ。
…それは最初から完璧なので、用意も何もあったものではない。
って事はだ。準備も完了したということだ。
アロハを手に入れただけだったが。
これからはアロハスタイルで行こう。アロハ気に入った。
人生で初めて、服を自分で決めた瞬間だったと思う。
今までは、親に適当に買ってきてもらっていただけだったからな。オシャレとか考えたこともなかった。
だって友達いなかったもん。
オシャレする必要なかったもん。
これからは、ちゃんと服にも気を使おう。独りだからこそ、大胆にできるってのもあるからな。
だけど、今日はもう休もう。
病み上がりだからか?散歩しただけなのに、疲れた。
体はちゃんと休めないと、な。
あの映画。自分も見に行きました。




