オレも相棒も
富士山から車に戻って時間を確かめると、0時を過ぎようとしていた。どおりで、寒いわけだ。2月のそんな時間に外にいるから。
暖を取ろうと、車のエンジンをかける。
エアコン、エアコン、っと。
はぁ、あったけぇ。
おっと、和んでる場合じゃなかった。【俺】について考えなければ…
あいつの言う事を信じるとすると、オレはどうやら二重人格で。そして、そのもう1つの人格と普通に話せる訳で。
信憑性も何もあったもんじゃ無いけど、それを信じる以外に今の状況に説明がつかない。
それか、オレの頭がついに狂ったか、
『いやいや、相棒の頭は元から狂ってんじゃん。』
…今ちょっと、シリアスタイムだから黙ってくれますかね。あとね、オレの頭は狂ってないよ?お前はオレの筈なのになんでオレを馬鹿にするかな?つまりそれは、お前は自分を馬鹿にしてるのと同じだよ?
『はっ?!それは気付かなかった…。』
もう1人の【俺】は馬鹿である。これオレより馬鹿じゃね?…やっぱ人格が違うと頭ん中同じでも、差が出るもんなのかな?
少し話が逸れたな。これからこの二重人格っていう自分と、どう向き合って行くのかが今のオレの考えるべき事だ。
『別に深く考える必要は無いんじゃね?話し相手が出来たって思うくらいで良いんじゃね?』
お前は口調だけじゃなく、考え方も軽いんだな。なんかオレじゃねぇみたいだ。
『それについては前も似たような事言ったかもだけど、【俺】は相棒だし、相棒も【俺】。だけど人格が違うから殆ど別人みたいなもんだと考えてくれて良いと思うぜ!』
…その最後の『ぜ!』と、ウザったいドヤ顔が無かったら、そこそこ良い言葉だと思ったんだけどな…
いや、でもそれもそうか。
深く考えても、オレにはよく分かんねぇ出来事だし、もし理解できても意味がないような事かもしんないな。
それに丁度話し相手が欲しかったし。
『って相棒が思った事だし、今度こそこれからよろしく〜。』
あ、でもオレの思考回路は覗くな。プライバシー侵害、ダメ、ゼッタイ。
『そればっかりは無理だな。勝手に頭に入ってくるし。』
マジか…。
『じゃあ、これからどうする?次どこ行く?』
今日は、まぁ今日って言っていい時間帯か分かんねえけど、寝る。
『え〜、つまんね〜。』
こっちは疲れてんの。部活にも入ってないやつが久々に動いてヘトヘトなんです。休ませろ。
『身体の疲れも【俺】と相棒は共有してて、【俺】も疲れてるけどな。』
…なら、お前も寝ろよ。
『はいはい、んじゃおやすみ〜。また明日〜。』
オレは自分にも届くか、分からない声で答えた。
「おやすみ。」
まぁ、言わなくても考えるだけで通じるんだけど。
どうもですです。くらげです。
短くてすみません。




