もう1人、ふたりぼっち
何故?
オレが最初に思ったのはそれだった。
何故?何故オレの声がオレの頭に響く?
どういう事だ?
ハテナが頭の中でグルグルグルグルと廻る。
『【俺】もよく分からん。』
頭の中に響く、【俺】の声がオレのハテナに答える。
『でも幾つか何となく理解できる事がある。【俺】はお前の中にいる事。【俺】はお前のもう1つの人格だって事。』
「ちょ、ちょっと待ってくれ。オレに考える時間をくれ。」
つまりどういう事だ?オレは二重人格って事か?
たが、二重人格だとしたら、もう1つの人格と話す事って出来るのか?
………………ダメだ、もっとハテナが増えた。よく分かんねぇ事だらけだ。
そもそも何なんだよ。声が聞こえてオレの他に人間がいるんだと思ったら、オレのもう1つの人格かよ…。
第一発見者がこれとか、最悪だ…。
『おいおい、最悪とか言ってくれんなよな。【俺】だってよく分かんねぇんだからよ。』
「おい、お前なんで人の心読んでんだよ。プライバシーの侵害だろ。」
『仕方ねぇじゃんよ。聴こえるんだから。【俺】もお前だし、お前も【俺】なんだから頭ん中も共有してるんじゃねぇの?勘だけど。』
ナニソレ?余計に最悪だわ……。
「 ってか、それよりお前が出てきた衝撃で忘れてたけど、ここ富士山の山頂だった。」
ってか、お前が出てきた衝撃で流れ星に願い事出来なかった。
『【俺】の相棒は意外とメルヘンチックなんだな。笑うわ。』
心の底から馬鹿にしたようにオレを嘲る【俺】。
「うるせ、こんな世界だったら、流れ星にだって願いたくなる。」
ん?聞き逃してたけど、いつからお前はオレの相棒になった?まだ会って…はないな。聞いて…もちょっと違うな。お互いを認識して数分しか経ってないのに。
『そりゃ、お前、この世界で【俺】とお前のふたりぼっちだぜ?まぁ、正確には独りぼっちだけど。それはもう、相棒って呼んで良いだろ。』
「なに?お前はこれから先もずっとオレの中に居座るつもりなの?」
『居座るって言い方は無いんじゃねぇの?居座るんじゃなくて、存在してるだけなんだからさ〜。』
マジか……。プライバシーも何もあったもんじゃ無いな。
『それはお互い様だっての。』
【俺】は言う。
『取り敢えず今日からよろしくって事で〜。』
あぁ、せめてもう1人の【俺】が軽い人間じゃなかったら良かったのに…。
『相棒、そろそろ富士山から降りねぇ?【俺】だって寒さとかは感じるんだわ。』
そこだけは同感だった。マジで寒い。このままここで【俺】と話してたら凍え死ぬ。
ここから下山して、その後にまた少し考えよう。
これからはふたりぼっちなのだが独りぼっちでもある。そんな風にオレらは生きるのだろう。
そして、1番最初にも言ったが、また言っておこう。
これは、オレのオレだけの物語。
オレと、【俺】の物語。
そして、これを読んで「馬鹿だなぁ。」って笑ってくれると嬉しい。
これは、オレと【俺】が間違い続ける物語。
どうもですです。くらげです。
やっと!やっと!登場人物が増えました。
【俺】君です(笑)。
これからも馬鹿話を見守ってやってください。




