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お出迎え 弐

 

 別の日。

 この日は友達とショッピングをしていた。そんな中またもや、あの人物から電話が……。

 僕は店の中でとるのは迷惑と思い、友達に一声かけてから店の外へと出た。


「…もしもし? 何? 何か用?」

「いやぁ、今何してんのか──」

 僕は兄貴の台詞を最後まで聞かず、途中でブチッと切った。

 そうして僕はなにごともなかったかのような顔で、友達の元へと戻ってった。


 帰宅すると、やはり兄貴が玄関前にたっていた。

「お前は人が話してる途中で、電話を切るのか?」

「……途中で切るのは、兄貴限定だよ」

 そう僕が言い切ると兄貴は俯いてしまった。

 …あ、ちょっと言い過ぎたかな?

「あ、あに──」

 謝ろうかなと思い、声をかけようと思ったが、兄貴が急に顔を上げるので僕の声はそれのせいで遮られてしまった。

 その表情は困ったような、でも悲しい表情だった。

「…俺限定って、本当か?」

「え、あ、いや──」

 珍しく兄貴が落ち込んでいる。そんな見たことのない兄貴に僕はどんな風な言葉をかけていいのか分からず、言葉に詰まる。

「ふふふ……」

 ん? 今度は何だ…?

 兄貴は肩を震わせ、また顔をふせてしまった。

 ……んーと。笑ってる…のか…?

「あはははははは! 俺限定! 俺限定!」

 兄貴はどっかのネジが吹っ飛んだかのように、笑いだした。

「あ、あの……あに──」

「あはははははは!」

 僕の声は兄貴の笑い声でかき消されてしまう。もう兄貴の耳に僕の声は届かない。

「俺限定♪ 俺限定♪」

「…………」


 …もしかしてもしかすると、【兄貴限定】と言われたことが嬉しかったのか?

 確かに兄貴には友達はいないし、彼女ももちろんいない。だから当たり前に【限定】とかって言われたことないのだろうけど…。でもそんな狂った人間のように笑いますか…?

 兄貴は、そんな狂った人間の如くそのまま部屋へと戻っていった。

 数分で起きた出来事。でも僕には何時間も経っているようにも思う。それほどまでに、この出来事は大きかった。


「…つか、部屋に戻りたくねー」

 前回も話したように、兄貴は一日の半分を僕の部屋で過ごす。

 なので、多分狂った兄貴が僕の部屋にいるはずだ。


「‥風呂、入るか。その間に元に戻るだろ」

 僕は、玄関に荷物をおき風呂場へと向かった。


 その後兄貴は寝るまで狂った状態であった‥。






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