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お出迎え 壱


「お前、今何時だと思ってんだっ! さっさと帰ってこいっ!」


 学校の帰り、友達とカラオケに行って盛り上がっていたところ、急に電話がかかってきたのだ。とってみると兄貴の声。そして、さっきの台詞を言い捨て電話を切ったのだ。

「…いや、何時って、まだ夕方の5時ですが………小学生の母親かっ!」

 友達にバレないように突っ込む。もちろん帰る準備をするわけでもなく、僕は兄貴の言うことを無視し遊びまくった。


 ──その結果……。

「おい、お前。帰ってこいって言ったよな? 今何時だ!? もう10時だぞ、10時!! 何かあってからじゃ遅いんだぞ!! おい、聞いてるのか!?」

 ……怒られた。


 台詞だけ見れば、妹のことを心配している兄貴だが、今の兄貴の格好は青と黒のしましま模様のボーダーシャツにジーパンといった、いかにも今から出掛けます、な格好だった。だからそんな出掛ける気満々の格好で言われても全然嬉しくない。


「……出掛けたかったのか?」

「……本心を突いてくるなよっ! し、仕方ないだろ!! 友達いないんだしっ!」


 なんだろ、この感情。別に僕の事を心配してくれない兄貴だが、この言葉を聞いた瞬間涙が出てきた。


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