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希望を抱きし者  作者: 夜海 来火
第7章 カイの行方
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61話 あの後

俺と春香はエイリアンに襲撃された日本から脱出するため、積乱雲の中をヘリコプターで移動していた。


しかし、積乱雲の中から突如姿を現した大艦隊は、一筋のレーザーを俺たちのヘリコプターに向けて放ち、その衝撃で春香の身代わりに俺はヘリコプターから落ちてしまった。


春香は俺に向け手を差し伸べてくれたが、俺は春香の手には触れることができず、俺の姿は積乱雲の中で消えてしまった。



自分でも何が起きているのかわからなかった。風で身体が浮いていたことは確かにわかっている。しかし、上下感覚がわからなくなっていた。


そんな中、俺はある手すりのような物を掴んだ。これ以上、飛ばされないためにも、俺はその手すりを強く握りしめた。


そのとき、気づいたのだ。

その手すりは大艦隊の装甲に付いていたものだったのだ。

つまり、このとき、俺は大艦隊の手すりに掴まっていたのだ。


間近で見るとかなり大艦隊は大きく見えた。俺はその梯子を登り、大艦隊の屋上付近に到達した。

しかし、何人かのエイリアンが大艦隊の中から現れ、俺にレーザー銃を向けた。


「キサマ、人間ダナ。一人デ我々ノ艦隊ニ侵入シヨウトスルトハ、ナカナカ良イ度胸ダナ」

「ソノ人間ヲ牢屋ニ入レロ。ソイツガ持ッテイル武器モ全テ回収スルンダ」


一人のエイリアンが指示すると、それに従い、三体のエイリアンが俺の身柄を確保した。

そして、俺はそのまま大艦隊内部の牢屋にぶち込まれてしまった。



牢屋にはエイリアンっぽさというものは無く、鉄の檻に壁はレンガ、布団が一枚あるという物だった。


「早くこのホコリ臭いとこから出て、春香たちと合流しねぇとな」


俺はそう言い、その檻から脱出する方法を考えたが、これと言って良い案は思い浮かばなかった。


「お前も、ここに来ちまったか」


そのとき、どこかから人間の声が聞こえてきた。しかし、見渡す限り人間の姿は見えない。


「誰だ⁉どこにいる⁉」

「お前の牢の隣の牢さ」


顔や姿は認識できないが、どうやら俺がいる隣の牢屋にその人物はいるらしい。


「捕まったのはお前だけじゃないんだろ⁉他の人たちはどうしたんだ⁉」

「みんなもう、殺されちまったよ」

「なっ……。じゃあ、なんでお前は生きているんだ」

「みんなエイリアンに対して反抗や暴言を吐き、何かの実験台として死んだ。俺は何も反抗してなかっただけだ。いつ死ぬかはわからん」

「じゃあ、死ぬ前にここから出ねぇと!」

「無駄だ。お前でもわかるだろ。この檻は超鋼鉄、壁のレンガもだ。人間の力ではとてもーー」

「やるしかねぇだろ。お前はここで死にたいのか」


俺はそう壁の向こうに言うと、壁の向こうから返事が帰ってきた。


「お前、そーいうの嫌いじゃないぜ。一つ良い事教えてやる。役に立つはずだ。この艦隊には防犯カメラという物は無い。あるとすれば警備しているエイリアンぐらいだ。警備するエイリアンは一時間に一回くる。足音が聞こえたそのときは、寝た振りをするんだ」

「あぁ、わかったよ。そーいや、まだ名前教えてなかったな、俺は朱谷カイだ」

「黒澤ヒロトだ。よろしくな」


こうして俺は牢屋から脱出する術を考えた。




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