62話 手に入れた情報
8年前、大艦隊の内部の牢屋にぶち込まれたこの俺、朱谷カイは、隣の牢屋にいるヒロトさんのサポートを受けながら、このレンガの牢屋から脱出する術を考えていた。
しかし、脱出する方法はなかなか思いつかなかった。とりあえず、今、手にした情報といえば、この大艦隊には監視カメラが無いこと。一時間に一度のペースでエイリアンが見回りに来ること。このままでは実験台として使われるため、あまり時間は無いこと。
それしか情報を集めることはできなかった。
「ヒロトさん、あなたは脱出するとか考えないんですか?」
俺は壁の向こうに向かってそう尋ねた。すると返事が返ってきた。
「このまま黙って死ぬつもりはねぇ。だが、仲間は皆、ここで死んだんだ。地上に戻っても恐らくすぐにエイリアンに殺される。なら、ここで派手に暴れて、そして死にてぇんだ」
「……あなたは、エイリアンの武器を扱うことはできないのか」
「エイリアンの武器を扱う?そんなことができるのか?」
「俺と俺の知り合いだけは出来たんです。これは一体どういう?」
「さぁな、どういう意味なん……ッ‼喋るな‼」
「ッ!」
俺は息を止めた。その瞬間、扉の開く音が俺のいる場所まで聞こえてきた。
見張りが来たのだ。
「新シク人間ヲ捕ラエタラシイナ」
「今度コソ当タリガ出テクレバ良イガ……」
「当タリ?何ノコトダ?」
「オ前、聞イテナカッタノカ?我々ノ武器ヲ使用スル人間ノコトダ。ドウヤラ上司ノ話ダト10人モイルラシイ。10人揃ウト厄介ニナル。マァ、10人揃ウコトハ、ホボ無イト思ウガナ。ナルベク早ク一人デモ駆除スルベキナノサ」
そのような声が聞こえた。恐らく二体いるのだろう。そして、二体のエイリアンが俺のいる牢屋の前の通路を通りかかった。
「コイツカ。コイツラモ直グニ検査スルベキダガ、実験マデ8年ノ時間ガ掛カルナ」
「余リコチラノ事情ヲ話スナ」
「大丈夫ダ。奴ラ人間ニハ我々ノ言葉ガ理解デキルワケガナイ」
そう言いながら、見張りのエイリアンたちはその場から消えて行った。
「奴らは何て言ってたか、わかったりするのか?」
壁の向こうから声が聞こえて来たので、返答した。
「奴らは我々の言葉は理解できるわけがないと言っていましたが、俺にはわかります。ある程度情報を入手しました。まず、次の実験が行えるまで8年ほど時間が掛かるそうです。つまり、俺たちはあと8年は生きられます。そして、奴らの実験の目的は、多分、俺のようなエイリアンが使える人を探していると思います。エイリアンの武器を使える人を当たりと言ってた。恐らく俺が当たりかどうかは実験をしないとわからないはず。そして、もう一つ、人類にとっての希望を入手しました」
「なかなか手に入れたな。なんだ?」
「エイリアンの武器を扱える者を、10人揃えることだ」




