58話 血が垂れる時
突然、二本のビームソードを構えたフードをかぶった人物に戦闘を仕掛けられたサナは、あることに気づいた。
「そうか!大艦隊はホワイトホールを潜ることで姿を現し、ホワイトホールを出現させたのはあなただったのですね!あなたは誰だ!」
サナはエネルギーでできた刃をコーティングしたヌンチャクを構えそう言うが、謎の人物はジェット機で滑空しながら無言でサナへと襲いかかってきた。
(エイリアンの武器を使えてる!それに服装は私と同じアメリカ軍兵士!)
サナはその攻撃を避け、ジェット機で飛びながら謎の人物から少し距離を取った。
(だとすると……奴は0班の誰かか、それともアーテム大佐か朱谷ってことになる。一体、誰なの……?)
サナはそう考えていると、その謎の人物の上半身がサナの真後ろからビームソードを手に持ち攻撃を仕掛けていた。
サナは背後を振り向き、そのビームソードの斬撃をヌンチャクで防いだ。
その謎の人物はホワイトホールを形成し、サナの背後にワープしていたのだ。
サナに攻撃を防がれた謎の人物は、またホワイトホールを形成し、ホワイトホールをくぐり姿を消してしまった。
(今度はどこから来る?真上か、右か、左か……)
サナはそう考えた瞬間、サナの左右から二つのホワイトホールが現れた。
すると、左右のホワイトホールから同時に、計二本のビームソードの先端が出現した。
「左右両方‼」
サナは左から出現したビームソードを避け、右から出現したビームソードにヌンチャクを絡みつけた。
「捕らえたッッ‼‼‼」
サナはそう言い、ヌンチャクを力一杯引っ張ると、左からビームソードが消え、右のホワイトホールから二本のビームソードを持った謎の人物が引っ張り出された。
「ここであなたを倒せば!ここで殺せば!もうこの戦争も終わる!」
サナはそう言い、引っ張り出した謎の人物に向け、サナはその刃を振り下ろした。
路上に何滴か血が垂れ、そのとき、サナは気づいた。
自分のヌンチャクの刃を持った右腕の先が小さく形成されたホワイトホールを潜っていたことを。
そして、ホワイトホールをくぐった右腕の先は自分の背後に移動し、自分の背中に刃を突き刺していたことを。
路上に垂れた血はサナのものだった。
サナはそのまま倒れ込み、無傷な謎の人物は倒れ込んだサナを見下ろしていた。
その時、突然雨が降り始めた。積乱雲がアメリカ軍基地を覆い、稲妻が光り、激しい豪雨が降り始めた。
すると、謎の人物は何かに反応し、ビームソードを構え、背後を振り向いた。
背後からヴァン兵長が攻撃を仕掛けていたのだ。
謎の人物はヴァン兵長の斬撃をビームソードで防ぎ、ヴァン兵長を蹴り飛ばした。
蹴り飛ばされたヴァン兵長はすぐに態勢を立て直し、鬼のような形相で謎の人物に言う。
「これ以上、テメェの好きにはさせねぇ」
激しい雷鳴とともにヴァン兵長と謎の人物の戦闘が始まろうとしていた。




