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希望を抱きし者  作者: 夜海 来火
第5章 人間かエイリアンか
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51話 新たな班員

アメリカ軍最高会議は終了した。


そんなことも知らずに、春香は0班の寮の廊下で一人で泣いていた。

そんな春香のそばに、サナが駆け寄る。


「春香さん、大丈夫ですか?」

「なんでカイは……どんどん離れていくんだろ?やっと、やっと会えたのに……」

「またやり直せば良いじゃないですか!まだ若いんですから!」

「でも、カイは奪還作戦でチサルと戦っていたとき、私の名前を覚えていた……。春香って呼んでた……」

「え?じゃあ、戦闘中に頭を打ったとか?」

「ううん、そんなに大きなケガはしてないはず……」


春香はしばらく考えていると、新兵であるテルマが春香たちに報告しに来た。


「天野先輩、サナ先輩!0班に収集がかかりました!10時に場所は治療施設の入り口です!」

「連絡ありがとう、テルマ。どう?武器は使えるようになれた?」

「あ、はい!ジェット機の起動のコツを覚えました!これなら次の作戦は参加できそうです!」

「無理はしないでね」

「はい!では他の班員に連絡して来ます!」


春香にそう答えたテルマは、寮の外へと走って行った。

テルマはもう立派な姿になっていたことに気づいた春香は、涙を拭き、立ち上がった。


「行こっか、サナ」

「はい!」



春香とサナがアメリカ軍の医療施設の入り口にたどり着いていたころには、既に朱谷カイ以外の他の班員が揃っていた。


みんなが揃ったのを確認したヴァン兵長は、班員に言う。


「これからDNA鑑定を行う。が、その前に一つ報告がある」


「報告?」

松葉杖で何とか立っているラルフはそう言うと、ヴァン兵長は答えた。

「朱谷カイの処遇は、我々0班が受け持つことになった。それだけだ」

「カイが0班に⁉やった!」


0班はその後、医療施設でそれぞれDNA鑑定を受け解散した。

DNAの結果は早くて明日、遅くて明後日に出るらしい。


その夜、朱谷カイは寮のベッドの上でずっと思い出そうと記憶を踏ん張っていた。


「天野春香……学校……家……母さん……?」


するとカイはあるものを思い出した。自宅に転がっていた女性の下半身を。そしてその下半身は母親のものと似ていたことを。その次にエイリアンを思い出した。そして、毎日ともに暮らしていた友達や家族や知り合いが殺されてしまったことを思い出した。


「ウ、ウアアアアアアアアアアアア‼‼‼‼」


そのカイの悲鳴は寮中に響き渡った。春香たちは目を覚まし、カイの部屋に駆け込んだが、そこにはカイはもういなかった。


「カイ⁉どこにいったの⁉」

「窓が開いてます!窓から飛んだのかと!」


サナは窓の外を指差し、春香は窓の外を覗くと、その上空にカイが飛んでいた。

カイの背中からジェット機の銃口が生えていたのだ。


「どうしたの⁉カイ⁉」

「コロス‼」


カイはそう言うと、春香たちのいる寮に向けて、右手をキャノン砲に変形させた。


「やめて!カイ!」

「コロス……コロス……!」


その姿はかつて戦ったペルラスと同じだった。自我を失っているのだ。


そしてカイがキャノン砲を放とうとした瞬間、ヴァン兵長がジェット機を使い、カイに攻撃を仕掛けていた。


「加減は無しだ」


ヴァン兵長はそう言い、変形型ビームソードをカイに向けて振り下ろした。




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