49話 極秘会議
2092年10月17日。
日本、ハワイ島をエイリアンに占領されてしまった人類は、エイリアンの武器を扱える10人の地球人を集めるため、9人目の朱谷カイをエイリアン軍の拠点でもある大艦隊から奪還する作戦を実行した。
並のエイリアンの武器ではエイリアンに敵わないと判断したアメリカ軍司令部は、アメリカ軍武器製造班により、エイリアンのエネルギーを源とした新たな武器を造ることに成功。
エイリアンの武器を扱える兵士たちは、その武器を用いて、作戦を実行した。
作戦結果では朱谷カイの奪還は成功。
しかし、一方で囮班の兵士たちの約8割は命を落とした。人類最強と謳われたカルラ兵長も、その8割の中の一人である。
作戦終了後、アメリカ軍司令部では、ある会議が行われていた。その会議ではキシリム大将、そして各隊長たちが集結していた。
「この会議は通常の会議とは違い、極秘会議とする。なお、ここの話題の口外は一切禁止する」
キシリム大将はそう言うと、ある隊の隊長が手を上げた。それは女性だった。
「遠距離部隊長ディア・カルマ。何か意見があるのかね?」
「はい、先ほどから姿が見えませんが、なぜ戦闘特殊部隊1班のカルラ兵士長では無く、新兵が会議に参加しているのですか?」
「カルラ兵士長は作戦実行の際に戦死した。これからは戦闘特殊部隊0班のヴァン兵士長が隊長として参加する」
「今回の作戦は成功しました。ですが、朱谷カイを奪還した意味はあったのですか?」
「丁度、今回の話題は朱谷カイをこれからどうするかなのだよ」
すると、ある男性が手を上げた。
「近接部隊長アルム・マーク。何だね?」
「朱谷カイの処遇のことですが、彼の力はエイリアンの力そのもの。ヴァン兵士長の報告データによれば、朱谷カイは自らの身体を変形自在に武器のように変化させ、攻撃や防御を行うと記されていました。確かにこれは強力な力です。ですが、その力が暴走してしまえば、人類は大打撃をくらいます」
「他に意見がある者はおるかね?」
キシリムがそう聞くと、ヴァン兵長が手を上げた。
「特殊部隊長ヴァン・アイマン。何かね?」
「確かに暴走すればなかなか手こずる厄介な物になるのかもしれません。ですが、このまま奴を兵士として使わなければ、人類はエイリアンによって滅ぼされるだけです。それにここで彼を使わなければ、今回の作戦で失った兵士たちの命が無駄になります」
「では、朱谷カイの所属する隊を決めたいのだが、私は特殊部隊にお願いしたいと思う」
キシリム大将がそう言うと、アルク・マークが座席を立ち上がり反論した。
「新兵が隊長を務めたばかりの特殊部隊にですか⁉」
「そうだ。新兵だからこそ意味がある。よろしく頼んだぞヴァン・アイマン兵士長」
キシリム大将はそう言うと、次は別の話題を持ち出して来た。
「その次の話題だが、これはあくまで我々人類全ての疑問だ」
するとキシリム大将は咳払いをした後、答えた。
「そもそもエイリアンとは何なのか?」




