48話 代償
「カイ、み、右腕が……」
春香はそう言うにも関わらず、右腕を刃に変化させたカイは、チサルに向かって走り出した。
「ただでは済まんぞ、ジョーカー」
チサルはそう言うと、また瞬間移動したのか消えてしまった。しかし、カイはそのまま走り続け、背中からジェット機の銃口部分を生やした。
その銃口部分から物凄いエネルギーを発射し、カイは瞬間的な速さで上昇して行った。
上昇した先には瞬間移動をしたばかりのチサルがいた。瞬間移動を上回る速さで上昇したカイはチサルの右腕を斬り裂いた。
「ぐっ!!」
右腕を斬られたチサルは瞬間移動を連発し、カイから逃げようとしたのだが、カイはそれを上回る速さで滑空して行った。
春香から見たら、空中の至る場所からチサルの血が飛び散っていたのだ。
そんな光景を見ていた春香の近くに、カイが降り立って来た。
「そろそろあのエイリアンも死ぬだろうな。急所は外したが、身体の至る所を斬りつけた」
「カイ‼どうして‼どうして生きていたのにずっとここにいたの⁉」
「……すまなかった、何年間か、お前を一人にさせたな……」
「でも、会えて嬉しかった……」
春香がそう言い、カイに抱きついたとき、チサルが空中からこちらにレーザー銃を向けていた。
「春香、下がってろ」
カイはそう言い、空中にいるチサルに向けて右腕を上げた。
「この攻撃は回避できない!すればそこの雌が死ぬ!くらえ!」
チサルはそう言い、レーザーを放ち、放ったレーザーはワープを繰り返し、複数のレーザーとなってカイに襲いかかった。
しかし、カイは右腕を大口径のキャノン砲に変化させると、そのキャノン砲から凄まじいエネルギーが放たれた。
カイが撃ち放ったエネルギーはチサルが放ったレーザーを飲み込み、チサルをも飲み込んだ。
その威力は大艦隊の大砲とほぼ同じ威力だった。
「ぎゃあああああああ‼‼」
チサルはそう言い残し跡形も無く吹き飛んでいった。そして、カイは気を失い倒れてしまったという。
チサルを撃破したカイと春香、そして重傷を負ってしまったカルラ兵長、マリア、ティアルはヴァン兵長率いる援護班の支援により、無事、大艦隊から脱出することに成功した。
今回の作戦では戦闘特殊部隊0班は死亡者がでなかったものの、囮班に回された兵士や援護班の兵士、そしてカルラ兵長が死亡した。
また、ラルフは意識を取り戻したものの、立って歩くことは不可能と医師に判断されてしまった。
結果、朱谷カイの奪還作戦は成功したのだが、その代償に多くの命が帰らぬものとなってしまった。




