47話 再会
あのとき、私はカイが死んだと思っていた。
そう、8年前のことだ。
突如エイリアンに侵略された日本から脱出するために、ヘリコプターでアメリカまで移動していた途中、私たちの乗ったヘリコプターの前方に積乱雲が迫ってきていた。
ヘリコプターでアメリカまで飛ぶのはかなりギリギリだった。真っ直ぐ進まなければエンジン切れで墜落してしまう。
そう判断した私たちは、積乱雲を突破することにした。
積乱雲の中を進むにつれ、風は強くなり揺れは激しくなり、強烈な雷鳴と滝のように流れる雨が私たちを襲った。
そんなとき、ふと操縦者があるものを目にした。
大艦隊だ。
エイリアン軍の拠点でもある大艦隊が、この積乱雲の中にいたのだ。ヘリコプターとの距離は100mほど。
そして、その大艦隊から一筋に伸びるレーザーが私たちが乗ったヘリコプターを襲った。
片方の扉が破壊され、私はヘリコプターの外に放り出されそうになった。
私は何とか手すりにつかまり、落ちずには済んだのだが、強烈な風が私を外に吸い出すように吹いていた。
そのとき、カイが私の腕をとっさにつかみ、私をまたヘリコプターに引っ張り上げた。
私はカイに助けられ、礼を言おうと顔を上げたときには、カイはヘリコプターの中にはいなかった。
私はすぐにヘリコプターの手すりにつかまり外に顔を出した。
こんなところでカイとさよならなんて嫌だった。死んでも嫌だった。
だけどカイは、もう外に飛ばされていて、手が届く距離にはいなかった。
そして、カイの姿は強烈な風に流され、消えて行った……。
そのカイが生きていた。
カイの奪還目的で大艦隊へと突入した突入班の一人でもある私は、今、カイと再会した。
「……カイ……なの?」
「下がっていろ。春香」
カイはガンマエイリアンになどされていなかった。自分の意思を持ち、アルファエイリアンであるチサルに攻撃をした。
だけど私は、今までのカイとは別のものを感じた。
まるで冷たい、氷のように冷たいオーラを感じた。
「なぜだジョーカー?なぜ貴様が裏切る」
「お前らは勝手に俺のことをジョーカーと呼ぶが、俺はジョーカーじゃない。朱谷カイだ」
そうカイはチサルにそう言うと、右腕自体を刃に変化させた。
身体が武器に変化したのだ。
私はそのとき、冷たいオーラといい、身体が変化したといい、ふと思った。
カイはもう、人間では無いのかと……。




