44話 チサル司令官
ルヴァムから朱谷カイの居場所を聞き出したヴァン兵長は、アーテム大佐とサナを引き連れ、移動を開始した。
一方、ペルラスを撃破し休憩を取っていた春香たちの下に、エイリアン軍の指揮官であるチサルが現れた。
そのころ、BOX7と記された実験室に、二人のエイリアンがいた。
「ジョーカーヲ放出スル。ジョーカーガ暴走スル確率ハ低イガ、念ノタメ態勢ヲ取ッテオケ」
「了解デス」
そう言い、一人のエイリアンがBOX7の扉を開けると、扉の向こうには鎖で厳重に拘束された朱谷カイがいた。
「サァ、ジョーカー。初仕事ダ」
一人のエイリアンがそう言いながら、壁に設置されたボタンを押すと、朱谷カイを拘束していた鎖は何もなかったかの様に消えた。
「オ前ノ仕事ハ、侵入シテキタ地球人ドモヲ殺スコトダ。一体残サズナ」
そうエイリアンは命令すると、カイはペルラスのようにこう呟いた。
「……殺す」
「ン?何カ言ッタカ?」
「殺す!」
カイはそう言い、二人のエイリアンに襲いかかった。
その後、その実験室からは悲鳴が響き渡っていた。
一方、チサルと遭遇した春香たちはチサルとの戦闘を開始しようとしていた。
「お前ら、俺が奴に攻撃を仕掛ける。お前らは俺の援護をしろ」
カルラ兵長はそう言っていると、チサルは機械でできた右腕を刃の形に変形させ、カルラ兵長に向け滑空して行った。
「来るぞ!」
カルラ兵長はそう言うと、チサルの攻撃を避けながら、チサルの腹にロケットランチャーの銃口を向けた。
「くらえ!」
「……っ!」
次の瞬間、カルラ兵長はロケットランチャーを放ったものの、チサルの姿はそこになかった。消えたのだ。
「消えた?」
「ここだ」
カルラ兵長は声が聞こえた方向を見ると、空中にチサルが浮いていたことに気づいた。
「瞬間移動って奴か?」
「さあな」
チサルはそう答えると、カルラ兵長はロケットランチャーから砲弾をチサルに向けて放った。
しかし、チサルは飛んでくる砲弾に対して、右手の手のひらを向けていた。
その直後、砲弾はチサルの前から消えていた。今度は砲弾が消えたのだ。
「消えた?いや!」
カルラ兵長はそう言い、後ろを振り向くと、援護班や春香たちに向かって怒鳴った。
「お前ら‼上だ‼」
「う、うえ?」
「どういう……」
部下たちは上を見上げると、すぐそこに今でも爆発しそうな砲弾が迫って来ていた。
そして、凄まじい爆発が部下たちを飲み込んだ。春香とティアルとマリアも爆風を受けたが、火傷程度の傷で済んだ。
だが、援護班はカルラ兵長以外、その爆発で死亡してしまった。
「おい、地球人。部下が死んで……今はどういう気分だ?」
「てめぇ……」
チサルの問いかけにカルラ兵長は鬼の形相で睨みつけた。




