40話 ルヴァム再び
奪還作戦開始から1時間。
春香、ティアル、マリアはガンマエイリアンであるペルラスと交戦。だが、ペルラスの正体は恐るべきことにマリアの弟であった。ティアルは繊維喪失したマリアを何とか説得し、三人でペルラスの討伐を試みる。
一方、司令官であるチサルはBOX7からジョーカーという名のガンマエイリアンの投出を指示する。しかし、チサルが小艦隊が全滅したとの報告を受けた直後、また新たな情報がチサルの耳に入ってきた。
大艦隊の西と東のそれぞれの小艦隊発進ゲートから地球人の援軍が侵入して来たとのこと。その援軍は西ゲートからはカルラ兵長率いる囮班。東ゲートからはヴァン兵長率いる囮班が侵入して来ていた。
その頃、皆と合流しようと通路を進んでいたアーテム大佐とサナの前方から、物凄い速さでルヴァムが迫って来ていた。アーテム大佐とサナはルヴァムから逃れようとジェット機を使い、滑空し逃走したのだが、ルヴァムとの距離は徐々に狭まっていくのだった。
サナは後ろを振り向くと、50mくらい後ろからルヴァムが猛スピードで滑空して来ていたことに気づいた。
「こ、このままじゃ追いつかれます‼」
「武器を取り出せ‼このまま逃げきれなかったら奴との戦闘を開始する‼」
怯えるサナにアーテム大佐はそう指示し、通路を滑空しているとき、サナは人が通れるような通気口を見つけた。
「あの通気口に逃げましょう‼」
「了解だ‼」
するとアーテム大佐は通気口のフタをキャノン砲で撃ち壊し、通気口の中を入って行った。
その通気口の中は普通のとはかなり広く、滑空できる広さが充分にあった。
「あのエイリアンは知能が無い!通気口の入り口辺りなら逃げ場が無いはずだ‼入ってきた直後を狙うぞ‼」
「りょ、了解‼」
アーテム大佐は通気口の入り口付近にキャノン砲を向け、その場で待機した。
だが、いくら待ってもルヴァムが通気口内へ来ることはなかった。
「追いかけてこないのか?」
アーテム大佐がそう言った次の瞬間、ルヴァムが通気口の外側から内側へビームソードを刺したのか、内側にいたアーテム大佐の左膝に突き刺さった。
「ぐっぐあ‼」
「た、大佐‼」
アーテム大佐は左足を動かし、刺さっていたビームソードを抜いたが、それ以後左足を動かすことが困難になってしまった。
すると、通気口の外側からルヴァムがビームソードで通気口を破壊し、内側に入ってきた。
「ビームソードが鉄を貫くなんて聞いたことが無い……!何をした⁉」
「並ノビームソードハ鉄ヲ貫クコトハデキナイガ、俺ガ持ツコノ“ギアソード”ナラ容易イコト」
「ギアソード⁉んだそりゃ⁉」
「冥土ノ土産ニ教エテヤロウ。コノ剣ハ持チ手ヲ捻レバ刃ニコーティングサレルエネルギーノ質ガ変ワルノダ」
「よくわからねぇが、だが、もうお前から逃げられないってことはわかる。やるしかねぇみたいだな」
「イザ」
ルヴァムはそう言い、アーテム大佐に向けて滑空し攻撃を仕掛けた。だが、アーテム大佐はその剣をかわし、その場から離れようとした。
だが、ルヴァムは逃さんとアーテム大佐を追い、滑空するアーテム大佐を背後から蹴り落とした。
蹴り落とされたアーテム大佐は大通路のような場所に墜落してしまった。
するとルヴァムは倒れ込んでいるアーテム大佐に向け、一本の剣を振り下ろそうとしたとき、ルヴァムの背後からサナが迫って来ていた。
「スキあり‼‼」
サナは自らの武器である刃がコーティングされているヌンチャクのような物を使い、ルヴァムの身体をワイヤーのように切り裂こうとした。だが、ルヴァムはそれに気づき、左手の剣でそのヌンチャクを防ぎ、右手の剣でサナを突き刺そうと突進して来た。
「死ネ‼」
ルヴァムがそう言葉を放った瞬間、サナの方向を向いていたルヴァムの背後から強烈なキャノン砲が放たれた。
そのキャノン砲はルヴァムを吹っ飛ばし、ルヴァムは壁に衝突したのだった。
「危なかったな、フレシス」
キャノン砲を放ったのは、何とか膝立ちをしているアーテム大佐だった。
ルヴァムはその場から離れ、アーテム大佐とサナから少し距離を取った。
(ドウヤラ奴ラガ持ッテイルアノ武器ハエイリアンノ力ノ源デアルエネルギーヲ使用シテイルノカ。ダガアノ様ナ形状ハ見タコトガナイ……。我々デモ上級エイリアンガ使用可能ナ特殊武器ハ、ミサイル砲、ギアソードグライダ……)
ルヴァムはそうこう考えていると、ふとある殺気に気づいた。するとアーテム大佐とサナの方向に向け、言い放った。
「ソコニイルノハ誰ダ⁉」
アーテム大佐とサナはふと後ろを振り向くと、二人の後ろの通路から20人くらいの地球人がぞろぞろと歩いて来た。
「随分元気良く突入したと思っていたが、二人ともボロボロじゃねぇか」
ぞろぞろ歩いて来た地球人たちの先頭に立っていたのは、ヴァン兵長だった。
そう、彼らは東ゲートから侵入した援護班たちだった。




