31話 それぞれの武器
ヴァン兵長、カルラ兵長率いる囮班の活躍により、春香含む突入班は難なく大艦隊に侵入することに成功。しかし、通路を走っていた突入班は、ベーターエイリアンであるルヴァムと接触してしまう。
「あのエイリアンは‼」
「ベーターエイリアンだ‼戦闘は避けろ‼」
アーテム大佐は突入班に指示を出したが、ルヴァムは逃がさんとばかりに突入班に向けて走り出した。
「各自退避‼」
アーテム大佐はそう指示を出すと、突入班はジェット機を使い、狭い通路を滑空してルヴァムから逃げだした。だが、その際に突入班はバラバラになってしまい、ルヴァムはジェット機を使い、ラルフのみを追いかけ続けた。
「くそ!あのベーターエイリアンめ!ついてきやがったか‼」
「地球人、逃ガサン」
ルヴァムは二本のビームソードを構え、そう言いながらラルフに向け、斬撃を放った。
「仕方ねぇ‼ここでやるしかねぇか‼」
ラルフはそう言い切ると、腰に装着しているポーチの中から、黒色の棒を取り出し、その棒は変形し始め、弦はエネルギーで作られた弓の形になった。
おそらくラルフ専用の武器なのであろう。ラルフは斬撃を前転で避けると、弓からエネルギーを収束させた矢をルヴァムに向け放った。
ルヴァムはその矢をジャンプでかわし、ジェット機を利用して空中からラルフに向けて攻撃を仕掛けた。だが、ラルフもジェット機で低空飛行しながら距離を取り、ジェット機で滑空しながら背後を振り向き矢を放っていた。
お互いの距離はおよそ14mといったところだ。
「逃ゲテ矢ヲ放ツダケカ?」
ルヴァムはそう聞くと、急スピードで矢を避けながらどんどん距離を縮めていった。
気がつくとその距離はわずか5mほどになってしまった。
(やばい!追いつかれる!)
ラルフはそう思い、一本のエネルギーを収束させた矢を放った。
するとその矢は形を変え、小鳥のような姿になりルヴァムに追尾していった。
(追尾機能ダト⁉)
その小鳥の矢はルヴァムに命中し、エネルギーによる爆発がルヴァムを包み込んだ。
(今が逃げるチャンスか!すぐに皆と合流しねぇと!)
ラルフはそう思いながら、その狭い通路を滑空して行った。
突入班は先ほどバラバラになってしまい、二人一組となってしまった。無線はこの大艦隊から放たれる謎の電波のため使用することが不可能なため、連絡を取り合うこともできなかった。
そんな中、サナとアーテム大佐は皆と合流するため狭い通路を走っていた。
「みんなは無事だろうか」
「大丈夫ですよ!みんなそれぞれ強い武器を持ってますから!」
アーテム大佐の問いかけに答えたサナはそう言い、ニコッと微笑むとアーテム大佐は鼻で笑い言う。
「ずいぶん呑気だな。お前のような奴が羨ましいぜ」
そんな会話をしていると、二人はある部屋の前に辿り着いた。サナはその扉を開け、アーテム大佐からその部屋に突入した。
その部屋には特に何もないと思った瞬間、アーテム大佐は天井から殺気を感じた。
上を見上げると天井はかなり高く、その天井付近にエイリアンが浮いていることを確認した。
「止まれッッ‼‼」
「え?」
アーテム大佐の指示に戸惑うサナはピタッと動きを止め天井を見上げた。
「ほっほっほ、またあなたと会えるとは、これも何かの運命でしょうかねぇ?」
その部屋にいたのは、かつてエイリアンがハワイ島を奇襲した際にアーテム大佐と戦ったアルファエイリアンのキャノルだった。
アーテム大佐はキャノルの姿を見た瞬間、キャノルによって殺された部下たちのことを思い出した。
「こっちにも武器はあるんだ。殺してやる!その身体がグチャグチャになるまでな‼」
「こちらこそ、殺して差し上げますよ!地球人!」
キャノルはそう言い、腰に装着しているキャノン砲から砲弾のような形をしたエネルギーを放った。が、そのエネルギーの砲弾はアーテム大佐が展開したバリアで防がれてしまった。
アーテム大佐とサナはバリアに包まれながら、アーテム大佐は背中に装備しているジェット機を変形させた。
「俺の武器はジェット機を改造した武器だ。この戦いは俺だけで充分だ。お前はここで待っていろ」
アーテム大佐はそう言うと、キャノルを鬼のような目で睨んだ。
「怖いですねぇ、その背中の装備といい、まるで鬼ですよ?」
アーテム大佐は16個のキャノン砲を背負っていた。そのキャノン砲はジェット機から伸びていて、飛ぶことも可能だと見て取れた。
「こいつが俺の武器、てめーを倒す武器の16連砲だ‼」




