29話 作戦開始
2092年、10月17日。
エイリアンの武器を扱う10人を集めるため、朱谷カイが必要となったアメリカ軍は、大艦隊への突入作戦を開始した。突入目的は朱谷カイの奪還だ。
突入班に先ほど囮班が出動したという連絡が回った。班長であるアーテム大佐は班員にそのことを伝える。
「どうやら、囮班が出発したらしい。俺たちも指示が出たらすぐに出発する」
「砲撃班は出動したのですか?」
サナはそう聞くと、アーテム大佐は答えた。
「砲撃はエイリアンや小艦隊をおびき出さないと意味が無い。少し遅れて出発するそうだ」
「囮班のほうはヴァン兵長がいるから大丈夫だろうな。それにカルラ兵長もいるし」
「いや、油断はできない。一瞬でも気を抜いたら死ぬからな。気をつけたまえ」
ラルフにアーテム大佐はそう言うと、アーテム大佐は海の地平線を眺めていた。
そのころ、囮班はというと海の地平線の彼方に薄く大艦隊が見える距離まで飛んで来ていた。
班長であるカルラ兵長は無線で全機に連絡した。
《大艦隊発見!距離6kmほど!1,2分でぶつかる!全機前進したまま戦闘準備!》
戦闘機の翼の上に乗りながら無線を使うカルラ兵長の近くにヴァン兵長が飛んで行った。
「俺はここから見て右側の敵をやる。お前は左側を倒せ」
「おいおい、先輩に向かって命令か?」
「そうだ、命令だ」
ヴァン兵長はそう言うと、大艦隊の右側に向けて飛んで行った。
カルラ兵長も自らが乗ってる戦闘機の操縦士に無線で左側へと指示を出した。
95名の一般兵も二つに別れ、右側にはヴァン兵長、左側にはカルラ兵長が飛んで行った。
すると、囮が成功したのか、大艦隊から無数の小艦隊が放たれた。
《全機、小艦隊を撃破せよ‼》
ヴァン兵長は無線でそう言うと、武器を取り出した。
(ついに、これを使うのか)
ヴァン兵長はそう思いながら剣を引き抜くと、ふとある記憶がよみがえってきた。
ーー作戦開始4時間前ーー
アメリカ軍司令部の休憩所にいた春香たちの前に謎の老人が現れた。
「エイリアンの武器を扱えるお前たち用の武器を作らせてもらったぞい」
「なんだジジイ?あんたも軍だったのか」
「馬鹿者‼」
老人の言葉に反応したラルフは、その老人の隣にいた本部役員に怒鳴られた。
「この方はエイリアンの武器の増幅に成功した科学者、アレル・マリテリル氏だぞ‼」
「それよりも、私たち用の武器を作ったというのはどういう意味ですか?」
サナはそう聞くと、アレル氏は答えた。
「君たちはエイリアンの武器を使えるが、今までに何度そのエイリアンの武器を使ってエイリアンの戦ったと思う」
「えーと、私の場合日本で一回、入軍してから2回ですかね」
春香はそう答えると、アレル氏は話続けた。
「エイリアンにもこちら側には、エイリアンの武器が使える者がおるとそろそろ確認されるじゃろう。さすればその対処法を奴らは使って来るかもしれん。奴らの武器は、奴らに全て攻略されておるからの。じゃから、君たちオリジナルの武器を作らせてもらった。大丈夫じゃ、材料や原料はエイリアンの武器と同じにさせてもらったからの」
ーー現在ーー
「派手に暴れるか」
ヴァン兵長は言うと、剣を引き抜いた。その剣はただの剣のように見えたが、剣を持つ部分をバイクのようにギアを変えると、回した分だけ剣の刃にレーザーがまとわりついた。
(なるほど、今までのビームソードはレーザーを刃の形にしていたが、今回のこの武器は元々ある刃を芯としてレーザーをまとわりつかせるという訳か)
ヴァン兵長はそう思いながら、剣を構え、小艦隊に攻撃を仕掛けて行った。
一方、カルラ兵長はロケットランチャーを小艦隊に放ち、翼からジャンプし、あらゆる角度にいた小艦隊をロケットランチャーで撃破して行った。
「ヘレス‼」
カルラはそう叫ぶと、カルラを拾うように飛行機がカルラの真下に飛んできて、カルラはその戦闘機の翼に再び乗った。
「結構いるな。好きなように暴れまわるかヘレン」
「了解だ、カルラ」
戦闘機を操縦しているヘレンはそう答えると、その戦闘機は小艦隊の群れに向かって飛んで行った。




