28話 出動の時
エイリアンの武器を扱える者を10人揃える。朱谷カイが残した人類反撃の術を実行するため、アメリカ軍はエイリアンの大艦隊への突入を企てていた。突入の目的はエイリアンの武器を扱うことができる朱谷カイの奪還。だが、その作戦には何百という数の兵士が必要だった。
アメリカ群本部の受付にも、反対者が来ていた。
「ふざけんな‼お前らアメリカ軍本部は、兵士を死なせに行かせるのか⁉」
「貴様、口を慎め!キシリム大将がお決めになったのだぞ‼」
ある一般兵士と本部役員がそんな話をしていると、足音とともにある声が聞こえて来た。
「てめぇの命はどーでもいいが、人類の命運は守らなくてはならねぇ」
そこに現れたのはカルラ兵長だった。どうやら軍法会議が終わったのだろう。
すると、その兵士はカルラ兵長に聞く。
「兵長も突入作戦には出ると聞きました……。兵長は怖く無いんですか?」
「戦争に余計な感情はいらねぇ。怖いなら軍を辞めろ。士気に関わる」
「くっ、わかりました。辞めさせていただきます!」
そう言うと一般兵士はバッチや帽子をその場に捨て、去って行った。
その調子で退職する兵士が多かった。そしてアメリカ軍に残った兵士はわずか157名。
その少ない人数で作戦が行われようとしていた。
まず、この作戦は全部隊全兵士が出動する作戦だった。まず、大艦隊から小艦隊またはエイリアンをおびき出す囮班。その班には95名の一般兵と人類の最強の戦士と謳われたカルラ兵長、そして0班の隊長であるヴァン兵長が囮班となる。そして船からの砲撃班。その班には56名の一般兵が所属していた。そして最も重要となる突入班、ここはテルマを除く戦闘特殊部隊0班とアーテム大佐が所属していた。
テルマはまだ幼少なため、作戦には参加させてもらえなかったのだ。
そして、作戦実行の時が着々と近づいて来ていた。
《囮班、作戦を開始して下さい。大艦隊の位置はそこから南東の方向697㎞先です》
カルラ兵長とヴァン兵長が先頭に立ち、95名の兵士たちに言った。
「「囮班!これより移動を開始する‼」」
ヴァン兵長は背中に背負ったジェット機で空を飛び、カルラ兵長はロケットランチャーを構え、戦闘機の翼の上に乗った。
97名の囮班は堂々と大艦隊に向けて、出動して行った。




