22話 初訓練
カツン……、カツン……。
0班の兵士たちの足音がトンネル内に響く。
今、春香たちは訓練場へとたどり着く薄暗いトンネルを歩いていた。
電灯などといったものは無く、頼れる光は出入り口の外の日差しだけだった。もし、これが夜だったらどうなるのだろうか。
「このトンネルを抜けたら訓練場か?なんかワクワクするな!」
さっきまでぐっすり寝ていたラルフはトンネル内でそんなことを言っていると、人一倍背が高いティアルがラルフに言う。
「そうやって浮かれていると、すぐにミスを起こすぞ。ラルフ」
「な、何だと⁉」
「まぁまぁ、落ち着いて行きましょッ!ね?」
喧嘩っ早いラルフをサナが止め、6人はそのトンネルを抜けた。
トンネルを抜けた先にはたくさんの高層ビルが建ち並んでいた。
まるで訓練場とはあまりにも思えなかった。
「な、なんだ?ここ?」
「すっ、すごいっス!これが都会ってやつですかね⁉」
ラルフとサナはそんなことを言っていると、ティアルがサナに言う。
「ここは訓練場だ。都会ではないぞ」
「え⁉」
きっとサナは田舎育ちなのだろう。だが、そんな田舎育ちが間違えるほど、訓練場とは思えなかったのだ。
すると、まるで6人に指示するかのように、放送が流れた。
《0班の兵士の諸君。今より君たちにはこの高層ビル群で訓練を行ってもらう。今回使用してもらう武器はトンネルを出てすぐ左に置いてある》
そう聞くと、ヴァンはトンネルの出入り口の左に置かれていた6本のビームソードと6個のジェット機を確認した。
《一人一個ずつそれらの武器を利用してもらい、これからゲームを行ってもらう。ルールは簡単だ。制限時間は1時間。この訓練場の至る場所に風船を浮かせてある。それらの風船の中には5、10、15の数字が書かれている札が入っている。それらの数字はポイントとなり、誰がポイントを多く稼げるかというゲームだ》
「面白そーじゃねーか‼」
「なんだかドキドキしてきました!」
ラルフとサナは二人で盛り上がっていると、冷静な女兵士であるマリアが二人に言う。
「うるさいぞ。珍獣ども」
《ゲーム開始時間は3分後。その場から一斉にスタートしてもらう》
すると、6人はそれぞれジェット機を背負い、ビームソードを手に取ると、それぞれ心の準備と身体の準備をしていた。
「私、ラルフさんには負けませんからね!」
「あぁ?何言ってやがる?俺が優勝してやるよ!」
サナとラルフはそう言い争い、ヴァンは腕を組みトンネルの壁に背中を寄り添い、ティアルとマリアは黙って高層ビルを見上げていた。
春香も高層ビルを眺めていたが、春香がくしゃみをしたその瞬間、放送は流れた。
《三分経過した。それでは0班の諸君、ゲームを開始してもらう》
その放送の合図とともに6人はジエット機を使い、それぞれ風船を割りに飛んで行った。




