21話 研修
各隊の顔合わせも終わり、新入軍人たちは長官が受け持つエイリアンについての研修を行っていた。
春香はまだ研修は始まらないが、指定された座席に座り、研修が始まるまでそこで寝ようとしていた。
だが、糸口さんがやってきて春香にちょっかいを出すなど、様々なことをし、春香はなかなか眠りにつくことができなかった。
「ん~、なんですか~、糸口さ~ん」
「春香、春香!私ね、1班の副隊長になっちった!」
「え⁉副隊長ですか⁉」
「へへへ、先輩を超えるのはこりゃ、案外早いかもね!」
「そういえば、そっちには先輩がいるんですよね」
「あー、そっか、そっちの隊には先輩とかいないのか。エイリアンの武器を扱える人だけが集まった班だからねぇ。先輩でもその武器を使えたのは一人、アーテム大佐っていう人だけだとさ」
「そのアーテムっていう人はどこの隊に入ってるんですか?」
「アーテム大佐はハワイ島の防衛隊の隊長を務めていたんだが、数日前のハワイ島が奇襲された際に、部下は全滅したそうだ」
「そのアーテム大佐って人も大変そうですね」
「春香だって大変じゃないか。何しろ……」
糸口さんはそう言い切ると、ヴァンに視線を向けた。
それと同時に長官が部屋の中に入り、皆に言う。
「研修を始める。各自指定席に着席するように」
新入軍人たちはそれぞれ席に着席すると、長官は教卓のような机の上にビームソードとレーザー銃を置いた。
「これが今日、諸君らに学んでもらう物だ。このエイリアンの武器は全て、同じ仕組みでできている」
すると長官はレーザー銃を手に持った。
「これから紹介することは、エイリアンの武器を徹底的に調べ上げたニュトロ・エルバルジャン博士のレポートに書かれたことである。このレーザー銃は一般エイリアンが持っていた物であり、エイリアンが使う武器として最も多いだろう。この武器は一見銃のような形をしているが、弾丸という物は一切使用しない。この小さく空いた穴から酸素を取り込み、その酸素を銃の中で圧縮し、圧縮した酸素の塊にエイリアン特有のエネルギー物質を加えることでレーザーとなる。使い方は簡単だ。引き金を引けば、レーザーを射出することができる。レーザーの出力は変化することはできず、また、レーザーを再び精製するには3秒かかる。そして、次にビームソード」
すると長官はビームソードを取り出した。今は刃が無い状態で、柄だけの状態だった。
「ビームソードという名前であるが故に、刃の部分はレーザーで精製される。使用方法は簡単、この柄にはバイクのようなハンドルがあり、そのハンドルのギアを回すことで、レーザーを放出し、放出されたレーザーが取り込む酸素を放射能として変化させることで、レーザーを核として放射能をまとわり付かせることができる。この武器もレーザーの出力を変化させることはできないが、充分な切れ味を持っている」
そう言うと、長官はジェット機を取り出した。
「そしてこれが、エイリアンの機動力の源となるジェット機だ。この装置はリュックのように背負い、背中に背負った装置からエネルギーを放出することで、宙に浮いたり、空を滑空したりなどが可能になる。持続時間は可能、エネルギーを精製するのに必要な材料は空気だからだ。最後にこのバリアバッチだ。見た目はただのバッチだが、このバッチを2回叩くと、そのバッチから360度にエネルギーをまとめた丸い壁を精製する。これを我々はバリアと呼んでいる。また、すべての一般エイリアンはこのバッチを左胸に付けているということだ」
そこまで説明されて春香は気づいたのだが、ラルフとサナがもう既に寝ていたということだ。そしてヴァンはと言うと、顎に手を当てダルそうに話を聞いていた。
「それではこれより、1班、2班、3班、4班の兵士の諸君らには、これらの武器の対処法を受講してもらう。そして、0班はこれらの武器を使い、訓練を開始してもらう」
その後、春香と糸口さんは別れを告げ、糸口さんはそのままその場に残り、春香は訓練場へと足を運んだ。




