19話 入隊
テルマの入軍が決まってから1ヶ月。テルマはヴァン・アイマン兵長率いる戦闘特殊部隊0班に入隊した。
またテルマもエイリアンの武器を扱うことができるため、訓練ではエイリアンの武器を使い訓練していた。
訓練が終了し、休憩所にいたテルマは春香に聞く。
「春香さんはどうして、軍に入ろうとしたんですか?」
「私?私はね、大切な人の仇を取るために入軍したの」
「僕、全然春香さんやヴァン兵長みたいに武器を扱えなくて、訓練でも迷惑かけるし、やっぱり僕って弱いままなんですかね……」
「そんなことないわ。私だって最初はよく失敗してたものよ。そう最初はーー」
ーー8年前ーー
「これから入軍式を始める!名前を呼ばれた新入軍人から前に二列で整列しなさい!」
アメリカ軍司令部のホールのような場所に春香たち新入軍人は呼ばれた。長官のような人が新入軍人の名前が書かれた名簿を持ち、一人ずつ名前を呼んだ。
「ラルフ・エガニス!」
「はい!」
「ジェルフ・グノルマン!」
「は、はい!」
「天野春香!」
「はい!」
「ヴァン・アイマン」
「……」
返事をせずに列に並ぼうとするヴァンに対して、長官は攻めよった。
「ヴァン・アイマン、返事をしろ!」
「……ちっ」
「き、貴様!これは規律だ!規律を守れない奴が軍人などやれるものか!」
「おめーらみたいな兵隊さんごっこには付き合ってられないんだよ。いいか?数日前のエイリアンの奇襲は、日本の自衛隊がチャラチャラしていたせいで、日本は占領された。つまり緊張感がない。今だっていつこのアメリカにエイリアンが来るかもわからない。なら、こんなくだらない式を上げてるより、もしものために訓練して備えたほうが、よっぽど人類のためだと思うぜ」
「くっ!」
「まぁ、俺はこの式を中止させる気はない。続けな」
「こ、こいつ。まぁいい。お前にはそれ相応の罰が下るはずだ。次、マルス・エルベルト!」
「は、はい!」
式は続き、新入軍人は列に並び、キシリム大将の話を聞いた後、それぞれ解散となった。
春香はアメリカ軍司令部を後にすると、帰宅途中、春香と同じ日に入軍届けを出した糸口さんがやってきた。
「おっつかれ~!春香!」
「お疲れ様です。明日は入隊先を決定するんですね。同じ隊になれるといいですね」
「うんうん!何かあったら私が春香を守ってあげるからね!」
「だ、大丈夫ですよ!いちいち助けれていたらそんなの軍人じゃありませんし!」
「世の中助け合いってのが大切でしょ!」
そんなことを会話しながら、二人は帰宅した。帰宅とは言っても路地の端っこにダンボールを組み立てた物が家なのだが。
避難民の数が多すぎて、生活できる建物がなかったのだ。
「まぁ、寝よっか。明日に備えよ」
「そうですね。おやすみなさいです」
春香と糸口さんはそれぞれダンボールの中で眠りについた。
そして翌日、入隊先を決める式が始まった。
新入軍人は昨日と同じホールのような場所に集められ、壁には1、2、3、4と書いてある紙が貼ってあった。
「新入軍人の諸君。これより、名前を呼ばれた者は、指示した隊に入隊してもらう。まずは戦闘近接部隊1班。マルス・エルベルト。ロルカ・アステバン。マリウス・エリムス。糸口晶子。以上、4名!」
呼ばれた4人は壁に貼ってある1という紙の前で整列した。
そして、その次に戦闘遠距離部隊2班。戦闘機操縦士部隊3班。アメリカ防衛部隊4班もそれぞれ呼んだが、春香を含む6人の人たちは呼ばれなかった。
「では、1、2、3、4班に入隊した諸君、右に回れ!」
「「「「ハッ!」」」」
入隊した人たちはまだ入隊していない6人の方向を振り向いた。すると、長官のような人は言う。
「彼ら6名は、人類が扱えない武器を使うことができる!人類の希望そのもの!彼ら6人に栄光を称えよ!」
すると、入隊した者たちは春香たち6人に拍手した。すると、長官らしき人は言う。
「それでは戦闘特殊部隊0班!ラルフ・エガニス!サナ・フレシス!マリア・アルバンデロ!ティアル・ノーマン!天野春香!ヴァン・アイマン!以上6名!」
「「「「ハッ!」」」」
「明日より諸君は訓練を行い、一人前の軍人として働いてもらう!覚悟はいいな!」
すると、新入軍人の声がホールに鳴り響いた。
「「「「「「はいっ!!」」」」」」




