15話 粉砕の刃
「死ね‼猿野郎ッッ‼」
ヴァン兵長は大艦隊の大砲から放たれた砲弾の上に乗り、その砲弾とともにルヴァムに向けて飛んで行った。
しかしルヴァムはヴァン兵長の攻撃を避けるどころか、迎え撃とうとしていた。
ビームソードとビームソードが交じり合い、どちらかの血が空に舞い、海に落ちて行く。
春香たちはその光景を口を開けた状態で眺めていた。手が出せなかったのだ。そんな中、0班の兵士たちは言う。
「どっちが勝ったんだ⁉」
「見ろ!ヴァン兵長には切り傷がない!」
その通りで、ヴァン兵長には切り傷がなかった。無傷だったのだ。
一方、ルヴァムには腹部に大きな傷を負っていた姿があった。
だが、ルヴァムはにやつきながら言う。
「手応エアッタゾ」
すると、ヴァン兵長が持っていたビームソードが二本とも砕け散ってしまった。
砕けたビームソードの破片は海に落ち、ヴァン兵長が持っていたビームソードは刃を無くしたただの棒になってしまった。
武器を失ったヴァン兵長の背後で、ルヴァムはヴァン兵長にゆっくり斬りかかろうとしながら、言う。
「貴様ラ地球人ハ武器ガ無ケレバ無力。例エ貴様デアロウト剣ヲ無クシタ今、貴様ノ勝機ハ消エタモ同然」
「お前……ただのエイリアンではないな?その戦闘能力、一体何者だ?」
「我ガ名ハ、ルヴァム。ベーターエイリアンデアリ、エイリアン軍ノ幹部ニ所属シテイル」
「随分、丁寧に教えてくれたじゃねぇか」
次の瞬間、一筋のレーザーがルヴァムに向けて飛んで行った。ルヴァムはヴァン兵長への攻撃を中止し、そのレーザーを回避する。
ヴァン兵長はレーザーが飛んできた方向を見ると、そこには春香を含む0班の兵士たちがレーザー銃を構えていた。
「いくぞぉぉ‼」
一人の兵士が合図すると、5人の兵士はルヴァムに向けてそれぞれ攻撃を仕掛けた。
だが、ルヴァムから距離を取るヴァン兵長はルヴァムに攻撃を仕掛ける兵士たちに怒鳴った。
「やめろ!そいつは強いッ‼‼」
「ソノ通リ、貴様ラデハ我ニハ敵ワナ……」
《もう戦闘は大丈夫だ。撤退してくれ、ルヴァム》
ルヴァムが持っている通信機にそう連絡が入ると、剣をしまい、そのまま兵士たちの攻撃を避け、兵士たちから少し離れた。
「後少しで敵を殲滅できる。もうしばらく待ってくれ」
《これはボスの命令だ》
「……ッ‼わかった、撤退しよう」
ルヴァムの表情は急変し、そのまま大艦隊へと戻って行った。一体何なのか、地球人たちにはわからなかった。




