14話 エイリアン軍幹部
アメリカ防衛ライン最前線を突破したエイリアン軍であったが、アメリカ軍戦闘特殊部隊0班の活躍により、大艦隊から放たれた小艦隊を全て撃破。地球人は0班と戦闘機を用いて大艦隊の撃破を試みる。
一方、エイリアン軍大艦隊の内部では、エイリアンたちが混乱状態になり、会議室のような場所に集まっていた。
「小艦隊ガ全滅シタダト⁉」
「地球人ニマタ小艦隊ヲ撃破サセラレタノカ⁉」
「敵ハ我々ト同ジ武器ヲ使ッテキタ。少ナクトモ、我々ト同等ノ強差トイウコトダ」
「バカナ!ソンナコトガ!アリ得ナイ!」
すると、一人のエイリアンが会議室の中心に立ち、一言いう。
「静かにしたまえ」
そのエイリアンの言葉で皆の混乱が解けた。そのエイリアンを見て、他のエイリアンたちは言う。
「アレハ……8人のエイリアン軍幹部ノ一人……“アルファエイリアン”ノ、チサル様ダ!」
「本当ダ!何ヨリアノ黒マントガ幹部ノ証拠!」
すると、エイリアン軍幹部のチサルは語り始めた。
「現在、この我々の拠点は大いなる危機に陥っている。小艦隊が全機撃破された今、我々は団結し、奴らを倒さなければならない。ここで、全てのエイリアンは私の命令に絶対的に従ってもらう。まず、この大艦隊に設置されている36個の大砲を、一つ二人で操作し、確実に敵の戦闘機を撃ち落とし、我々と同等な武器を使う奴らは……彼が倒してくれる」
すると、チサルの背後から二本のビームソードを背負ったエイリアンが現れた。
「ア、アノ方ハ!」
「マサカ、コノ目デ見ルコトガデキルナンテ!」
通常エイリアンもかなりそのエイリアンのも登場には驚いていた。チサルは二本のビームソードを背負ったエイリアンを紹介し始めた。
「我々と同等な武器を使ってくる地球人を、ベーターエイリアンであるルヴァムに討伐してもらう。これが、奴ら地球人の防衛ラインを突破する作戦だ」
一方、戦闘機を操縦している兵士たちは通信機を使って連絡を取り合っていた。
《何としてもアメリカの大地にエイリアンを移動させるな‼必ず撃ち落せ‼》
《小型原子爆弾、投入準備完了‼大艦隊の上空に移動します‼》
そう言うと、一機の戦闘機が大艦隊の上空に移動すると同時に、ヴァン兵長の合図で0班は大艦隊から離れた。だが、大艦隊の至る所に設置してある大砲が真上に銃口を向け、無数のレーザーが大艦隊から放たれた。
《レーザー⁉回避不能……‼‼》
その戦闘機は小型原子爆弾とともに爆破した。すると、真上を向いていた大砲が、それぞれの戦闘機に銃口を向けた。
「くそ!あの大砲をどうにかしねぇと!」
ティアルがそう言うと、大艦隊からジェット機を使い、小型原子爆弾を乗せた戦闘機に向かって滑空するエイリアンがいた。
《ジェット機を使うエイリアンがこちらに接近中!》
《操縦補助員は滑空してくるエイリアンを射撃せよ‼》
すると戦闘機の窓から上半身を出した補助席に座っていた軍人は、その滑空してくるエイリアンに向けて銃を発砲した。
だが、その銃弾は軽く避けられ、そのエイリアンが引き抜いたビームソードにより、一人の軍人が上半身をまるごと斬られてしまった。
《じゅ、銃弾が当たりません‼》
《奴め!どこに消え……ガハッ!》
どんどん小艦隊がそのエイリアンによって撃破されていく光景を見たヴァン兵長は、二本のビームソードを取り出し、そのエイリアンに向けて飛んで行った。
「お前たちはあのエイリアンに手を出すな‼」
(これ以上、人類を殺させはしない!)
ヴァン兵長はそう思いながら、そのエイリアンに斬りかかった。だが、そのエイリアンは二本のビームソードでヴァン兵長の攻撃をガードしていた。
そう、そのエイリアンはベーターエイリアンのルヴァムだった。
「貴様、地球人ノ割リニハナカナカ強イ。一振リノ太刀筋デソウ見切ッタゾ」
「てめぇも宇宙猿のクセになかなかやるじゃねぇか」
お互いに言い合うと、お互いに距離を取った。だが、すぐにルヴァムがヴァン兵長に向けて滑空し、斬りかかった。ヴァン兵長は何とか防御したが、ルヴァムはヴァン兵長が持っていた一本のビームソードを真上に弾き飛ばした。
「くっ!」
弾き飛ばし、すぐに攻撃する態勢を取っていたルヴァムに対し、ヴァン兵長はジェット機の出力を最大にし、真上に飛び、攻撃を回避した。
攻撃を避けられたルヴァムは、ヴァン兵長の後を追うようにジェット機で真上に飛んだ。
超高速で真上に飛んでいるヴァン兵長は、弾き飛ばされたビームソードをつかむと、もうすぐ真下にルヴァムが迫って来ていた。
「速っ⁉」
「フン」
真下からの攻撃に足を切られそうになったが、何とか回避し、態勢を変え、今度はヴァン兵長が真上から攻撃を仕掛けた。
その攻撃をルヴァムはガードすると、ルヴァムはビームソードごとヴァン兵長を蹴り飛ばした。
「ぐっ!」
蹴り飛ばされたヴァン兵長は態勢を整えると、またルヴァムが滑空しながら攻撃を仕掛けていた。
ヴァン兵長は斬撃をビームソードでガードし、ルヴァムの足を足で抑えたが、ルヴァムは前転宙返りし、ヴァン兵長にかかと落としをくらわせた。
「ガハッ‼‼」
そのままヴァン兵長は意識を失い、海に向かって落ちて行った。
薄れゆくヴァン兵長の意識の中、ある記憶が電流のように脳の中に流れた。
『さぁ、殺れ!ガキ!』
『早くしなさい、ヴァン!早く!』
『やはりできないのか?なら、殺すしかねぇみてぇだな』
『やめて!ヴァンは病気なの!私は死ぬわ!だからヴァンだけは殺さないで!』
ドォンンッ‼‼‼
二人の男の声と、一人の女性の声……。だが、誰の声だかは思い出せない。
そして、最後に聞こえた音は、重く響く銃声。
すると、ヴァン兵長は意識を取り戻し、目を開き、ジェット機で海面の真上を滑空した。後少しで海に落ちるところだったであろう。だが、安心はできない。滑空したヴァンに向かってまたルヴァムが追いかけるように滑空してきたのだ。
するとヴァン兵長は何を思ったのか、大艦隊の大砲の目の前に飛んで行った。
まるで、自分を撃てと言わんばかりに。
(アノ地球人、何ヲ考エテイル?)
ルヴァムもそう思いながら、ヴァン兵長に向け、滑空していた。
また、大砲を操作するエイリアンにとっては、ヴァン兵長を仕留める絶好のチャンスだった。
「敵一体、大砲ノ目ノ前ニ、背ヲ向ケ飛行中。砲弾装填完了」
「撃テェ‼‼」
惜しみなくヴァン兵長の背に向けて撃った砲弾を、ヴァン兵長は後転宙返りし、砲弾の上に乗り、その砲弾とともに猛スピードでルヴァムに斬りかかった。
(砲弾ヲ乗リ物替リニ⁉)
「いくぞ、猿野郎ッ‼‼」
砲弾の上に乗ったヴァン兵長と宙に浮いていたルヴァムがビームソードを交えたとき、どちらかの血が空に舞った。




