13話 ヴァン兵長
ここはどこだ……?
僕は一体……どうしたんだ……?
気がついたら、僕はベットの上に拘束されていた。僕だけではない。僕のとなり、さらにとなりにもベットで拘束されている僕と同じくらいの男の子や女の子がいた。
僕の名はテルマ・アテナス。アメリカ生まれで、日本に住んでいた。今年で12歳だ。
僕は確か、8年前にあの身体が発光する人たちに襲われて、気がついたらこのベットで拘束されていた……。
「コレガ地球人ノ幼体ダナ」
「外見ハ我々トアマリ変ワリハ無イガ……。中身モ調ベテミルゾ」
身体が発光している人たちはそう言うと、小さなドリルを取り出し、僕のとなりのとなりのベットで拘束されている男の子の身体を生きたまま解体しようとしていた。
「い、いや……いやだ、やめろ‼やめろよぉぉ‼‼‼」
ドリルがその男の子の腹部に刺さり、発光している人はそのドリルをグリグリ腹部に突っ込んでいった。
「ぎゃあああああああああああ‼‼‼‼」
男の子の壮絶な悲鳴が、その部屋中に響いた。その男の子が拘束されているベットはその子の血で白いシーツが赤く染まっていた。
「息ガ止マッタナ。ドウヤラ地球人ハ、コノヨウナ刃物デモ殺スコトガデキルラシイ」
「解体ヲ続ケルゾ」
ぬちゃぬちゃとその子の死体を解体する音が聞こえる中、他の子供達はその拘束具を外そうと身体を必死に動かしていた。
だが、その拘束具が外れることは無く、僕たちは絶望していた。
2092年10月07日。再びエイリアンの侵攻が開始し、エイリアン軍の拠点である大艦隊は太平洋のアメリカ防衛ライン最前線を突破し、今もなおアメリカ合衆国へ向け、移動していた。
これに対して地球人は戦闘機で応戦。また8年前にはなかったアメリカ軍戦闘特殊部隊0班が戦場であるアメリカの最前線へと向け、ジェット機を使い滑空移動していた。
その部隊は春香も含まれたエイリアンの武器を扱う者だけが結成した特殊部隊であり、人類の希望そのものだった。
「目標距離800‼目視可能‼目標はあの大艦隊だ‼何としてもここで撃墜させるぞ‼」
ヴァン兵長が空をジェット機で滑空しながら隊員に命令すると、それと同時にエイリアンの大艦隊から無数の小艦隊が放出された。
「新たな標的確認!数は300~350!ラルフ二等兵、ティアル上等兵、天野上等兵は大艦隊の撃破!それ以外は小艦隊の撃破だ!」
「「「「「了解‼‼」」」」」
ヴァン兵長はそう命令すると、大艦隊を撃破しようとする3人は上昇し、小艦隊を撃破しようとする3人はそのまま小艦隊の大群に向けて飛んで行った。
「まず、俺たちで小艦隊を潰す‼そしたらお前たちは大艦隊を潰せ‼各隊員、好きなように暴れ回れ‼臨機応変に対処しろ‼」
ヴァン兵長はそう言うと、二本のビームソードを構え、猛スピードで一機の小艦隊に向け滑空していった。
その小艦隊は迫ってくるヴァン兵長に向けてレーザーを照射するが、ヴァン兵長はレーザーを避け、小艦隊の真上を滑空した。
真上を滑空した瞬間、ヴァン兵長は二本のビームソードを小艦隊に突き刺し、そのままジェット機で滑空しながら、小艦隊を斬り裂いた。
斬り裂かれた小艦隊は爆破し、粉々に散っていき、ヴァン兵長はどんどん小艦隊を撃破していった。
「やっぱ強え‼さすが戦闘兵士長‼あの人だけで小艦隊なんて全滅できちゃうんじゃないか⁉」
「私たちもヴァン兵長に任せてないで、小艦隊を撃破するよ」
「わ、わかってらぁ!」
ヴァン兵長に連れて、他の二人もどんどん小艦隊を撃破していった。
だが、ヴァン兵長の撃破していくスピードはどんどん早くなっていった。
「はぁ……、つまらねぇ」
ヴァン兵長はため息をつくと、一本のビームソードを小艦隊に向けて勢いよく投げつけた。
そのビームソードは一機の小艦隊を貫通し、その後ろにいた小艦隊も貫通し、さらに後ろにいた小艦隊をも貫通した。
すると、ヴァン兵長はもう一本のビームソードを両足で掴み、ビームソードの刃を小艦隊の列に向けたままジェット機で滑空した。
滑空しながら高速回転し、その姿は人間ドリルのように一列に並んだ小艦隊たちを貫通させて行った。
「オラァァァァァ‼‼‼」
小艦隊を全て貫通し、爆破させ、投げつけたビームソードをキャッチしたヴァン兵長はまたどんどん群がっている小艦隊の下へと、起動方向を変え、ジェット機で移動して行った。
その姿を見た春香はふと言う。
「あれが、戦闘のスペシャリスト……ヴァン・アイマン戦闘兵士長。つ、強い!」
ふと言ってしまうのも無理もない。あり得ない戦闘力は人間技を超えているのだから。
その鬼のようなオーラに春香も圧倒されてしまったのだ。
空に浮いていた小艦隊を一通り一人で撃破したヴァン兵長は大艦隊に向け言う。
「この程度か?宇宙猿ども……」




