第8話 チュンの落し物 前編《ちゅんのおとしもの ぜんへん》
もこもこのアドバイスでひみつの虹の筆を使って、スズメさんやカタツムリさんとお話しができるようになったるいは、嬉しくてたまりませんでした。
「もこもこ、ありがとう! 虹の筆の使い方、教えてくれて」
るいが水たまりに向かってニッコリ笑うと、頭の中に弾むような声が響きます。
『るい、どういたしまして! みんなでお話しすると、毎日がもっと楽しくなるよ。一緒にお話ししよう!』
るいは、さっそく近くの石の上にいるスズメのチュンと、カタツムリのむにゅに話しかけてみました。
「私にも、もっと色んなことを教えてくれる?」
るいの耳に「チュン、チュンチュチュン」と声が届くと同時に、頭の中へ直接あたたかい音が響いてきました。
『アタシ、スズメのチュンよ。そうだわ、お友達のるいちゃんに手伝ってもらいましょう! るいちゃん、アタシの大切なキラキラがなくなっちゃったの』
「え、キラキラ?」
『そう、るいちゃん。アタシの大切なキラキラよ!』
るいは、キラキラってなんだろう、と考えていると、「むにゅむにゅにゅ〜〜」と声が届くと同時に、頭の中へ直接やさしい音が響いてきました。
『不思議な力で固まった、水滴むにゅ。
キラキラ光る、朝日が昇る時の一番の雫なんだ。
ボクのむにゅっとも相性抜群の、艶艶キラキラ素材だよ』
隣にいたむにゅが、のんびりとした声で分かりやすく説明してくれました。チュンは、焦ったように小さな羽をパタパタと震わせます。
『明日の朝日が昇るまでに見つけないと、溶けて消えちゃうのよ。お願い、一緒に探して!』
「うん、わかった!」
るいは大きな声でお返事をしましたが、あぜ道は広くて、どうやって探して良いのかわかりません。
「もこもこ、どうやって探せばいいのかな?」
『うーん、ボクもどこにあるかまでは分からないな。……そうだ、るいのお母さんなら、何か良い知恵を知っているかもしれないよ!』
水たまりの中のもこもこは、うーんと首を傾げて考えた後、素敵なアドバイスをくれました。
「お母さんに聞いてくるから、ここで待っててね!」
るいは急いで、白ねこのついた青い長靴を弾ませてお家へと走りました。
《つづく》




