メガソーラー計画を阻止します! ①
小栗慶太の住む田舎町にメガソーラー計画が持ち上がったのは、寝耳に水の話だった。
特に産業や観光もないこの町に、いきなりメガソーラー計画が出てきたのは、高校生の慶太にしても絶対に不自然と感じた。
この夏前に、選挙で市長が新しく変わったが、2月の早生まれの慶太にまだ選挙権はなく関係のない話だった。
ただそれでも、メガソーラー計画の話などまったく聞かなかったし、まさに降ってわいたような話だ。
大好きな自然が他所みたいに壊される。と真っ先に思った。
もう随分と前からネット界隈では有名だが、太陽光パネルは決してエコで自然に優しい発電じゃない。
そのことは、テレビでは全然やらないから、インターネットをやらない、おじいちゃんおばあちゃんは、みんな騙されていると思っていた。
だから同じ高校や同じ中学だったみんなに声を掛けて、反対運動をすることにした。
これも高校最後の思い出だとばかりに、みんながやる気を出す。
総勢は、今現在16名だ。
じゃあどうやって反対運動をすればいいのかというのが、第一の課題だ。
なので、8畳ほどのコワーキングスペースを借りて、そこでみんなで話し合った。
「で、その反対運動って、どうやりゃいいんだ?」
柔道部の荒市ハジメが口火を切った。
「じゃ、街宣車?」
ハジメの2つ隣りに座っていた一人が答える。
「街宣車って、その車どうすんの? うちら全員、車の免許ないよー。それに街宣車って、ヤバくなーい?」
このメガソーラー計画阻止の話をしたときに、ノリノリで参加してきた安藤リカがもっともなことを言う。
「じゃさ、まずは設置される太陽光パネルの何が危ないのか、改めて調べてみようよ」
冷静な口調で、書記を務めていた大磯アキラが提案する。
「そんなもん決まってんだろ! 利権だ! 既得権益が一番危ない! それになんだあの新市長は!? 票入れてやった恩を仇で返しやがって! 聞いてねーぞ、あんな話!」
見た目、昔のヤンキー (不良) の岡部シンは、このことがよっぽど我慢出来ないらしい。
「それで、言い出しっぺのリーダーの慶太はどうなんだよ?」
いつもクールな村田ススムが、このメガソーラー計画阻止プロジェクトのリーダーになった慶太に不満げにいう。どうやら、自分がリーダーになりたかったらしい。
「うーん。どうしたらいいかな?」
言い出しっぺは確かに慶太で、話し合いの結果リーダーにも選ばれたが、何処からどうすればいいのかは、まだわからずにいた。
「じゃさ、シンがいう利権と既得権益から調べてみようよ。それでまず、シンの思ってるのはどんななの?」
「大体、太陽光パネルってのは、もうほとんど日本製じゃないんだろ!? 全部C国製っていうじゃねーか!? どうせどっかの国会議員が、自分とこの身内企業に金が入るようにやってんのに決まってる!」
SNSで飛び交う、「陰謀論」と「利権・既得権益」の論争を見て感化されて、結果シンは「メガソーラー計画阻止」参加を選んだようだ。




