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エッチ広告師、爆誕

「分かりました」


直中は広告に対して変に抱いていた理想が解けていくとみるみるうちにアイデアが沸いてきた。


元来大衆に対しての復讐と言った不純な動機からの行動だったことからもなぜ行儀のよい広告が制作できるものか。


直中は新しいパレットを用意して下書きを書いていく。


女子高生が唇から唾液を垂らしながら気恥ずかしそうに俯き加減にこちらを見ているイラスト、電車の席に座りった女子高生が男に肩に手を回されて恥かしそうに赤面しているイラスト、口の内側に指を入れて無理やり開口させるイラスト。


などどう考えてもセクハラでしかないものが次々と生み出されていく。


もはや広告の基本的な機能としての「それがどんな商品であるか」ということは度外視の完全に趣味にしか見えないものばかりだ。


そして五六枚ラフを書きあげるとすぐさま真島の方に移動して見せた。


彼が間島から見せたのはファンだったから作品を見せる抵抗感が少なかったのもあるかもしれない。


「こういうのは、どうなんでしょうか」


「お、出来たんですか!見ます見ます」


間島はページをパラパラとめくっていこうとしたも一枚目から手を止めてじっくり眺めていくことに変えた。


「おおおおおお」


どっちに転がるかは分からない反応だったため趣味濃度の割合からも考えて期待しない方で待ち構える。


「やっぱり気持ち悪い!こうじゃないとダメですよ!」


気持ち悪い


ファンだと名乗る男からそんな人格否定的な評価を下されるとは自分はどれだけ気持ち悪いんだと直中はかなり食らった。


「キモ、それがいい…?」


「気持ち悪い」の震動がかなり響くがそれでも尚「それがいい」という一応ながらも受け入れられた反応に感情の拠り所を見失った。


そうして均衡の定点を見つけようとしている途中で間島はそれを佐々木に見せに行った。


「sumomoさんほら」と見せられた佐々木は機材をぶんとってじっくりと鑑賞し始めた。


直中は何となく女性に見られたくないと感じて「しまった」と思うも佐々木の真剣なまなざしを見て取り返すのも申し分ない気がして自身のデスクに戻った。


直中は特にすることもなかったから、間違い探しかの如く絵を凝視する佐々木をボーっと眺めるくらいのことしかしなかった。


今度は十分くらいたって佐々木が直中のデスクにやってきていった。


「怖いです。いや、気持ち悪いです。」


「あ…」


直中は魂が肉体から離脱していく絶望感が襲い掛かりながらも聞いてみた。


「気持ち悪いっていうのは、じゃあこれは…」


「悪いわけではないです。悪いわけないです。むしろキャラクターへの解像度が高く凌辱されてることに悲しみを覚える程よくできていると思いました。」


直中の心はただではいられなかった。

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