間島君の助言
「間島くん、自己紹介お願いします」
佐々木が先ほど入ってきた茶髪キノコにそういうと彼もそれに答える。
「あ、間島修平です。僕はイラストとあとシナリオ作りの手伝いみたいなことと暇なときに映像制作してます。誕生日は7月14日なのでよろしくお願いします」
自己紹介を終えると間島は一息ついて直中の方に訊いてくる。
「それより綿菓子さんどんな広告作るんですかめっちゃ気になるんですけど!絶対ヤバいですよね」
「あぁ、えっと…」と直中は気迫に気後れしながらもパソコンの向きを間島に向き直して伝える。
「既に広告みたいなのはいくつかできてて…」
「え、見たいです紹介してほしいです!」
ついさっき佐々木に見せた広告の画像を開き見せていった。
画をじっくり鑑賞していた佐々木とは対照的に間島は一瞬だけ見て終えた。
見終えて何か咀嚼するように天井を向く間島を見て直中は嫌な予感を感じながらも次の言葉を待ってみた。
「これってホントに綿菓子さんが作ったんですよね」
薄いオブラートに無個性という批判を包んだようにも聞こえなくもない言葉は、直中のライフをゴリゴリと削った。
「え、はい」
半ば放心した直中に、間島は追い打ちをかけるように言う。
「え、うわごめんなさい!でもインパクト全然なかったから、あれー?」
インパクト
直中は四枚と作っていく中でそれらは特に重要視してきた部分を「弱い」と形容され深い部分をえぐられた。
「どうしてこうしたんですか?」
心の底から不思議に思ってるだろう瞳で直中の事を見つめる。
佐々木は横やりに「私は広告を見ても特別な感情は沸かなかったのでいいものだと思いますよ」と間島への応戦かか同調かどうかわからない言葉をよこす。
萎れ切った心がふつふつと「バカにされている」感じに対して脊髄反射に反発心に裏返った。
アドバイスを真正面から受け止めてやろうと覚悟を決めたのだ。
「インパクトが足りないっていうのは」
「綿菓子さんの味が出しきれてないのかなーこれならだれが作っても…みたいな」
直中はその表現に対して妙に腑に落ちたところがあった。
実際のところ彼自身も制作した広告のラフに対して滅茶苦茶にしてやりたいといった愛のない想像を引き起こしてしまったことにもつながる。
「じゃあ、どうすればいいみたいなのは」
「どうすればいい?」
間島はキノコの後頭部をわさわさしながら言った。
「どうすればいいって綿菓子さんのしたいようにしてほしいです」
「したいように…?」
直中は最も理想的な方法で広告を作れたと思っていたため言葉の意味を掴み切れなかった。
「もっと無責任に、適当に、バカにしてやるくらいが丁度いいんです、広告をね。多分」
それは直中が広告の勉強をしたうえで作成していた事を見透かしていたかのような言葉選びであり。
「無責任」
呪いがするすると解けていくようだった。




