露天風呂で騒ぐな!
前回のあらすじ
吹雪の中で、露天風呂に入る。
吹雪の中、ベルたちが入浴を始めてから約1時間経過。
いまだに、湯から上がる気配がない。しかし、猛吹雪の中、露天風呂に入っていれば、当然ながら湯の温度は下がり顔が雪まみれになっていく。
そのため、きねは、天井に透明な結界を張り雪の侵入を防ぐと、手のひらサイズの火球を複数発生させて、湯に沈める。
結果的に、外の極寒地帯と違い浴室内は南国の様な感じになった。
────きねが、火球の威力調整を間違ったらしく、湯の温度上昇が止まらない。グツグツと煮えたぎっていく。
普通は、沸騰した湯に入れば大やけどをするのだが、ベルたちは熱耐性があるので気にせず湯に浸かっていた。しかしながら、熱湯に入るのは常識的に良くない。とワンコが思い、きねに軽く注意する。
「きね、少し湯の温度を下げてください。熱湯風呂に入るのは、変だと思いませんか?」
「なんじゃ、この程度で音を上げるとは、情けないのぉ。よいか、風呂は熱くなければ意味が無いのじゃ。ぬるい湯なんぞ、入っていられるかぁ!」
「あのですね。そんなことを言っているから、ドラコがマグマを温泉と言って飛び込むのですよ。はぁ~~、まったく、もっと常識を大切にして欲しい」
「────あらまあ、お酒がもう無い? うーん、ちょっと暇ですわねぇ。ワンコさん、余興はありませんの?」
「えぇっ!? 突然、何を言い出すのですか? 意味が分かりませんね。余興なんて無いですよ?」
「あらやだ、使えない駄犬さんですわねぇ~。ふふん、では私が、歌を歌いましょう」
ベルは、湯舟から立ち上がると、金色の長髪を優雅な手つきでかき上げ、胸を張って得意げに歌い出す。
湯煙の中、美声を響かせ歌う姿は、感動的な芸術作品の様だった。もし、この姿を芸術家が見たら、間違いなく狂喜乱舞しただろう。それほどまでに、神々しく美しい。
殲滅女神ベルは、当然ながら神レベルの芸術的な容姿をしている。胸の大きさでワンコに負け、色気ではきねに負けるが、女性美の総合力ならモン娘1位であった。
全裸で胸を張り歌っているため、ベルのパールピンク色の突起と、金色の芝生がハッキリと見えてしまっている。
さらに、染みひとつない滑らかな肌と大きく形の良い、円すい型の胸。引き締まった腹部から急激に膨れ上がった尻肉も堂々とさらしていた。
その様子を見て、女性同士とはいえ、ワンコは気恥ずかしくなり視線を逸らすと、大きなため息をつく。
────
数曲熱唱して、満足したベルは機嫌よく湯に入り直す。
すると、お酒が無い事を思い出し、ご機嫌な感じで話し出した。
「お酒が無いですわよぉ~。誰か取ってきてくださいます?」
「ふむぅ、それならば我が行こう。なに、良い歌を聞かせてもらった礼じゃ」
きねが、湯舟から立ち上がり外に移動しようとしたら、ワンコに呼び止められる。
「きね! 自分の体をよく見なさい。そんな姿でウロウロしては、ダメですよ」
「んっ? なんじゃ、まったく────っ!?」
ワンコに指摘され、きねは自分の姿を確認すると、顔を真っ赤にし慌てて湯に入る。
茶色の濁った湯に入っていたから気付かなかったが、きねの白い湯着はスケスケ状態で、大きな釣り鐘型の胸と桜色の突起が見えていた。
さらに、白い布地がピッタリと体に張り付き、胸元が今にもはちきれそう。股布は、尻の谷間に食い込み、黒い芝生も見えている。
透けて張り付く湯着によって、豊満な胸、むっちりと左右に張った尻など、女性特有の柔らかい体つきが良くわかり、妖艶な色気を感じた。
意図せず、恥ずかしい姿を見せたことで、きねが無言になってしまい気まずい雰囲気が漂う。
しばらくの間、誰も声を出さなかったが、意を決したワンコが口を開く。
「コホン、えっと、お酒とつまみを持ってきますね? 何が欲しいですか?」
「う~ん、そうですわねぇ。やはり、干し肉が良いですわ」
「……………………我は、何でもいい」
「はいはい、分かりましたよ」
軽く笑ったワンコが湯舟から立ち上がると、小さな悲鳴を上げ直ぐに湯に戻った。
原因は、水着が食い込みポロリ状態だったから。
モン娘で1番胸が大きいのが、ワンコ。そのサイズは圧倒的で、体のバランスが崩れるほど大きく飛び出している。
重量感たっぷりの特大な胸に対し、あまりにもビキニが小さすぎた。釣り鐘型の胸がポロリとこぼれ落ち、薄紅色の突起まで見えてしまった。
下の水着は、食い込みが激しく隠すべき場所を隠していない。左右に張った柔らかく大きな尻と黒い部分がハッキリと分かってしまう。
────
きねに続き、ワンコまで気恥ずかしさから無言になると、陽気なベルでさえ対応に困り、鼻歌を歌って現実逃避をする。
しかしながら、浴室内の雰囲気は気まずくなる一方で、重苦しい空気が漂っていた。さすがに、耐えられなくなったベルが、必死に話題を考え口を開く。
「きねさん、九尾が水に濡れると大変じゃありませんの? まあ、私の美しい羽は、防水だけでなく汚れ防止効果がありますので、関係ないのですけど」
「ふふっ、我の尻尾も防水じゃ。水の中に入っても、ふさふさの感触は変わらんのじゃぞ」
「その通りですよ。大切な尻尾が濡れるのなら、湯に入ったりしません。そんな事も知らなかったのですか?」
「おほほほ~、ところで、雪は何時まで降るのかしら? 早く止んで欲しいですわねぇ~」
「おや、露骨に話題を変えましたね。はぁ、まあ、どうでもいいですけど。それにしても、雪ですかぁ。相変わらず、レイの必殺技は出鱈目ですね」
「くっはっはっ、確かにのう。じゃが、ワンコの必殺技も出鱈目な威力じゃぞ」
「ふふっ、残念ですわねぇ~。ワンコさんの必殺技、私の回復技の前では、無意味ですわ!」
「チッ、そうですね。ですが、駄女神よりも私の方が強く、ご主人様の役に立ちます。悔しくなんかありませんよ」
「あらあら、弱い犬ほどよく吠える、ですわ!」
「はぁぁ~~、よくわかりました。そのケンカ、買ってやります!」
ワンコとベルが、湯舟の中で取っ組み合いの激しいケンカを始め、大騒ぎをする。
きねは止めるが、無駄な努力だった。ケンカは止まらない、むしろ、激しさを増していく。
────
露天風呂が破壊されるほど、激しいケンカを止めたのは、のぞき防止の見張り役をしていたレイだった。
レイは、ケンカを殴って止めた後、話があるから外に出ろ。と、怖い顔でベルたちをどう喝する。
きね、ワンコ、ベルたちが服を着替え外に出ると、吹雪の中で正座をさせられ延々と説教が続く。
「すまんかった。反省しておるから、もう許して欲しいのじゃ」
「ダメです! いいですか、私の話をよく聞きなさい! 貴女たちは何歳なのですか? 子供じゃないのですよ! 裸で殴り合いをするなど、恥ずかしくないのですか?」
「…………はい、すいませんでした」
「声が小さいです! もっと反省しなさい!」
結局、雪が止んだ夕方近くに、きねたちは許してもらい、酷い1日が終わった。
次回予告、 レイとドラコ
「ねえ、ドラコも温泉に入りたい!」
「確かに、今回は私たちとスイ、ライは入浴しませんでしたね」
「レイ、ドッカァーンと大噴火をやって! マグマ風呂に入りたい」
「ダメですよ! まぁ、そのうち入浴シーンがありますから、我慢しなさい」
「は~い」
「では、次回予告、フレア殿に古い友人から手紙が届きます。それと、年末のため次回は、3日後になります。すみません」




