温泉と熱燗
前回のあらすじ
レイの必殺技で、極寒地帯になった。
レイの必殺技で、キャンプ地が南極と化した次の日。
無理矢理な気候変化の影響は、まだ続く。猛吹雪が収まらず、ホワイトアウトが起きて視界が悪い。キャンプ地は、本気で荒れ狂う極寒地帯だった。
「力技で天候を回復させると、余計に被害が出ますよ?」
と、レイが言うので、自然に回復するのを待つ事になった。どうやら、今夜までに収まるらしい。
火災を抑えキャンプ地を守ったけど、大量の降雪により建物は倒壊し、テントが潰れてしまった。そのため、部屋の代わりとしてカマクラを大量に作り、どうにか過ごしている。
とは言え、やはり寒い。冷気耐性の無い者などは、天候異常の影響を受けていない森の中に避難している。
そんな猛吹雪の中、きねとワンコ、ベルの3人は急ごしらえの露天風呂に入っていた────
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降り続く雪を眺めていたベルが、急に何かを思いつたらしく、誠志郎たちの前で熱く語り出す。
「冬と言えば温泉! そして熱燗。 私、雪を見ながら、お風呂に入りたいですわ。皆さん、露天風呂を作りましょう!」
「ふむぅ、悪くないのう。よかろう、手伝うのじゃ」
「なるほど、ベルにしては珍しく良い事を言いますね。雪見風呂…………えぇ、何とも素晴らしい。私も手伝いますよ」
「ちょっと待って、吹雪の中で風呂に入るの? 風邪ひくから止めた方が良い」
「くっはっはっ、我らは冷気耐性があるのじゃぞ。寒さなんぞ気にせん」
「ご主人様、その通りですよ。心配無用ですから、一緒に雪見風呂を楽しみませんか?」
「はぁ、しょうがないな。もう止めないよ、頑張ってねぇ~。あっ、それと俺は止めておく、いくら何でも寒すぎる」
結局、誠志郎の制止を振り切って、ベルたちの露天風呂作りが始まった。
まず、地面に大きな穴を開ける。
次に、大量の雪を穴に放り込む。そして熱を加え、お湯にする。
最後に、目隠しとして雪壁で周囲を囲む。
吹雪の中で行われる土木工事は、本来ならば重労働。しかしながら、ベルたちの熱意は凄まじく、10分位で完成させてしまう。
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そして今、3人は熱燗を飲みながら、念願の雪見風呂を楽しんでいる。
のぞき防止のため、レイとドラコが露天風呂周辺を見回っているが、念のためワンコときねは水着を着ている。しかし、レイは堂々と裸で入浴していた。
そんなレイに、ワンコは呆れた感じで話しかける。
「はぁ~、あのですね、少しは隠しなさい。恥ずかしくないのですか?」
「おほほほ~、私、見られて困るほど貧相な体をしていませんわよ」
「へぇ~、そうですか。良かったですね。まあ、私よりも胸が小さいですけど」
「ぐぬぬっ、駄犬さんのタレ乳と違って、私は張りがあって形も良いですわ!」
ザッバァーッと、湯舟から豪快に立ち上がり胸を張って、ベルは高笑いをする。しかし、直ぐに吹雪で体が雪まみれになり、慌てて湯船に戻った。
「へくちっ! はぁ、よく降る雪ですわね。ワンコさん、熱燗を取ってくれます?」
「…………」
ベルをを完全に無視したワンコが、ムニムニと自分の胸を触りながら思い悩む。
(…………タレ乳ですかぁ。むむむっ、やはり少し…………。いえ、大丈夫。気のせいでしょう)
吹雪は続くが、きねたちの入浴は終わらない。まだまだこれから、と言った感じで雪見風呂を楽しんでいる。
次回予告、きねとワンコ
「我の入浴シーンが、書かれていないのじゃ!」
「そうですねぇ。でも大丈夫ですよ。次回も雪見風呂の続きですから」
「おぉ、それは良いのう。まだまだ湯を楽しもうではないか」
「コホン、それでは、次回予告、雪見風呂の続きです」




