ep6 最後の夜の記憶 〈2〉
私たちは隕石が落ちてこないことを想定し、お金はしっかり残して買い物をした。
佐紀はスイーツと飲み物に五千円を使い、優花はスイーツとお菓子と飲み物に七千円使った。私はホットココアとスイーツを合わせて二千円使った。
こんなにお金をスイーツで使ったのはいつぶりだろうか。皆と食べるのが楽しみだ。
私がそんなことを思っていたら、佐紀が元気よく声を上げる。
「よっし! スイーツも爆買いしたし、夜の大学に潜入してスイーツパーティーだな!」
「いえーい、佐紀と麻衣とパーティー久しぶり!」
よくよく考えたらこれって、不法侵入にあたるのではないだろうか。
私が大学へ行こうと提案した身でいうのはあれだが、やっぱり違うところに行った方がいいのではないかと思ってきた。
私は不安から、皆に相談することにした。
「ねえ、大学に行くの、やめない? なんか不法侵入になるんじゃと思ったら不安で」
私が言うと、二人は歩くのをやめ、数秒の沈黙の後、佐紀が口を開けた。
「いや、明日死ぬんだからいいでしょ! 死ななかったらその時考えればいいじゃんね?」
優花も後に続く。
「いいと思う、ばれても先生に説明すればわかってもらえるよきっと」
終わった。自分で提案しておいてあれだけど終わったんだな。
◇
その後、他愛もない会話をしてスイーツを食べながら歩いていた私たちは、無事大学へと到着した。
私たちの通っている大学は、偏差値五五~六〇台の、いわゆる凄い頭が悪いわけでもないが凄い頭がいいわけでもない普通な大学である。
「私夜の大学私初めて来たなー、佐紀と優花は?」
「あるよー、教材忘れちゃって取りに行ったとき以来かな、その時先生に見つかっちゃって怒られたよ」
「え? 怒られただけ?」
私は優花に疑問をぶつける。
「うん、事情を説明したら怒られるだけで済んだよ、だから今回も大丈夫だと思うよ?」
時刻は午後一〇時、ここの大学の閉館時間は九時だ。
……というか、今冷静に考えたら、扉にかぎがかかっているはずだから入れないんじゃ。
「優花は何時くらいにその時大学きたの?」
「えっと、夜の九時三十分くらいかな? まだ空いてる時間だったから普通に入れたんだ、そのあとどこに教材を忘れたかも忘れちゃって、結構長い間大学にいたら。いつの間にか大学が閉まる時間になって、その後先生に見つかって怒られたんだよね!」
「いや、優花忘れすぎでしょ、優花って昔からおっちょこちょいだよね、まあそこがいいんだけどな」
なんか、おっちょこちょいな優花、可愛いな。話を聞いているだけで元気になる。
「ねえ、今日はどうやって大学の中に入るの? もう一〇時過ぎてるから扉のカギ閉まってると思うよ」
私がそういうと、二人同時に「あ」と、綺麗にハモった。
「じゃあ、大学潜入作戦を考えないといけないな!」
佐紀はやる気に満ちた顔でガッツポーズを取りながら言う。
「佐紀、こういうのほんと好きだよね」
「楽しいじゃん! 作戦考るの! な? 麻衣」
なぜ私に振る。
「う、うん、そうだねえ」
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