ep16 謎の集団
探索をしていると、人の集団が何やら屯っているのを目撃した。
「ねえ、初めてあんなにいっぱいちゃんとした人がいるところを見たんだけど」
ルディアが二人にしか聞こえない声で喋る。
確かに、私はルディアとフレアとしかさっきまで遭遇しなかった。これは絶好のチャンスかもしれない。もしかしたら、あの集団の中に……。
私は迷うことなくその集団に近づく、フレアとルディアは心配そうな目で私を見ながらじっとしていた。きっと大丈夫。
「すいません、なにをされているんですか?」
私は屯をしていた集団に話しかけた。話しかけると、一人の女性が振り返ってきた。振り返った女性は少し驚いた顔をしたが、すぐに立て直して声を上げた。
「おお、新しい人だな、みなさん、挨拶してよな」
その声掛けに集団全員が反応し、一斉に声が上がった。
「お疲れ様です! 初めまして!」
おお、なんかめんどくさそうな人たちだな。この人がリーダーみたいな感じなのかな? あとちょっと違和感があるけど気のせいか?
「お、お疲れ様です……、初めまして、私エリーゼと申します」
私は少し動揺したが、しっかりと挨拶を返した。
「エリーゼさんと言うんだな、私はモクロだ。一応ここのグループの長を務めることになってしまったものだね、よろしくな」
なりたくてなったわけではないんだね。
「それで、後ろの二人は? エリーゼさんの仲間かな?」
あ、そうだった、フレアとルディアも挨拶しないといけないな。
私はルディアとフレアに近くまで来るように合図を送った。二人は私の意図をわかってくれたようでしっかりと横へ並んでくれた。
「ええ、私はルディアです、エリーゼとは昔から仲良くしてもらってます、お願いします」
「フレアです! よろしく!」
フレアだけ簡単な挨拶だったな。まあフレアらしいなあ。
「うん、フレアさんにルディアさんな、よろしくね」
モクロさんがそう返事をすると、後ろの人たちもその言葉に反応をして「よろしくお願いします!」大声で叫んだ。
女性と男性が七対三くらいの割合の集団で、私の知っている顔は見当たらなかった。一体どこにいるんだろうか。
そんなことを思っていたら、モクロさんが口を開いた。
「そういえば、エリーゼさんたちは食料とかあるのかな? いま食料を探している最中だったんだよな」
私たちと同じだ、皆やっぱり食べ物問題に直面してるんだ。
「私たちも丁度食料を探してて、なかなか見つからなく」
私の返答にモクロは「なるほどなー」と真剣な顔で返す。
「やっぱりみんな食料を見つけていないらしい、この空間に食べれるものはあると思うか?」
うーん、お腹は空く、お腹がすくということはつまり餓死するということで……、魔物も存在しているし、……そうなると食料は必ずどこかにあるはずで。
「魔物が存在していて、、ご飯を食べないと魔物も死んでしまいます。となると、食料はどこかにあると考えるのが自然だと私は思います」
「私たちは、魔物と闘ったことがないんだな、三人は戦ったことがあるようで心強いね、良かったら一緒に食料調達しないかな?」
モクロはそう言うと手を差し伸べてきた。人数は多いほうがいいかな、最悪私のスキル『タイムパラドックス』でなんとかなるし、一緒に着いていこう。
「よろしくお願いします」
私はモクロの手を取り、言葉を返した。
「よし、新しい仲間が入ったな! よろしくな!」
モクロが返事をすると、やっぱり全員が反応をして声を上げる。
「よろしくお願いします!」
やっぱりまだこの空気感には慣れないな。
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