ep12 私のスキル
目を覚ますと、またあの暗い空間にいた。
記憶はある、私はルディアがモンスターにやられて、何か助かる方法はないか考えた結果、私のスキルである『タイムパラドックス』を発動させたこと。
「誰か、助けて」
聞き覚えのある声が、聴こえてくる。
ーー最初と同じだ。
私は立ち上がり、声が聴こえた方へと歩く。
「痛っ!」
二回目なのに、暗いのには慣れていなかった。
「ご、ごめんなさっ」
「ひ、人! やっと人に会えた」
私はフレアに抱き付かれた。
「あ、ごめん! つい人に会えたことが嬉しくて」
「う、うん……大丈夫、です?」
なんて返すか迷って結局変な言い方になってしまった。
フレアは私の言葉に少し戸惑った顔をする。
「ねえ、変なもの見つけちゃって、ちょっとついてきてほしいんだけど、いいかな?」
「わかった、ここにいてもやることもないからついていくよ」
数分歩くと、またあの広い空間へ繋がった。空間の中央には、しっかりと魔法陣に見えるなにかがあった。
私は魔法陣に見える何かに近づく。
「ちょっと、危ないよ」
「触れないから、大丈夫」
触れないとは言ったものの、踏まないと始まらないのでわざと踏まないといけない。
私はどんどんと近づいていき、一歩前に進めば触れるところまでやってきた。
「触れちゃ、だめだよ?」
「あ、やばい」
私は段差もないところでこけたふりをして、魔法陣に見える何かに触れた。
触れたら、私の目の前に文字が浮かび上がった。
『能力を付与します、スキルを付与します。ステータスを表示しますか? はい、いいえ』
「ちょっ?!」
フレアは突然何もないところでこけた私に驚いて、一歩後ずさる。
「痛いい」
「だ、大丈夫?」
フレアは心配そうな顔をして言った。
「大丈夫、それより、踏んだらなんかゲームみたいなやつが見えてね、ステータス表示とか書いてあるよ」
「ステータス表示してみる?」
「やってみるね」
私は心の中で『ステータス表示』と唱えた。
【本名を言わないでください。この前には絶対に戻れません。清水麻衣。コードネーム、ルミナスエリーゼ。年齢十八歳】
さて、ここからどうしようか、普通に概要ステータス表示するか?
「どうしたの? そんなに悩んだ顔して」
「いや、なんでもないよ」
悩んだ結果、フレアには内緒で概要ステータスを見ることに決めた。
【概要ステータスを表示しますか? はい・いいえ】
私は心の中で『はい』と唱えた。
【コードネーム・ルミナスエリーゼ・レベル一〇・体力一〇〇・知力一〇〇・魔力一〇〇・魔法適性・火・光・スキル・タイムパラドックス】
うん、表記に問題はないかな。
◇
「待って! そこ罠あるよ!」
彼女は床に向かって指をさしている。
「うん、わかった」
あれから同じように探索を小一時間程している。フレアはしっかりと罠を見つけてくれる。
わかったこととして、ちゃんとタイムスリップしているということだ。
「何の罠があるの?」
わかるが一応聞くことにした。
「下に落ちる罠だよ? 試してみる?」
「うん、試してみるよ」
私は床に落ちていた石ころを拾い、罠がある場所に向かって石ころを勢いよく投げた。
床に当たると、ゴンッ! という音とともに大きく穴が開き、石ころは穴の底に落ちていった。
「おー、凄い罠だね、引っ掛かってたら大怪我だよ」
フレアは「そうだねー」と言いながら、まじまじと穴の底を見ていた。
「あ、そういえば、あなたのこと何て呼べばいいかな?」
私が名前を言えないことを知っていたら不自然なため、そのことは避けて尋ねた。
「うーん、じゃあ、セレスティアフレア、フレアでいいよ、そっちは?」
「私は、ルミナスエリーゼ。エリーゼって呼んで」
「わかった! よろしくね、エリーゼ!」
「よろしく、フレア」
私はフレアへ右手を差し出す。
フレアは不思議な顔をして私を見つめていた。
「握手、しようよ」
フレアは、「ああ!」と納得した表情を見せて、フレアも右手を差し出して、握手を交わした。
「改めて、よろしくね、フレア」
「よろしく! エリーゼ」
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