嘘
自治会の運動会が落ち着いた頃に、やっぱり気になったのは、Aくんである。
ちょっと、次女の体調が悪いなー、ということが増えてきたような気がする。体が弱く、原因不明の持病持ちで、薬を飲まないと、食事がとれなくなる、そういう子だ。
だから、いつもの季節の変わり目とかの体調不良だと思った。
「そういえば、学校はどう?」
「煩いよ」
「Aくんは大人しくなった?」
「全然!! 夏休み前より煩くなったよ」
「………」
担任の大丈夫は嘘だった。
いや、嘘じゃないよね。きちんと、二者面談で、Aくんの保護者に、現状を説明したけど、保護者側の認識が軽かったようだ。
いや、軽いのではなく、学校は学校で解決するもの、という認識だったのかもしれない。
Aくんの所にまだ、帰省で買ったお土産を持って行ってなかったので、それを持って、お邪魔した。
ぴんぽん鳴らせば、Aくんのお母さんと妹が出てきた。
「ごめんねー、A、バスケの試合に行っててー」
「バスケって、大変だって、聞いてますよ。土日も練習か試合があって、遠くに泊まりで行くこともあるから、近所の子、途中で辞めちゃったんだよね」
「移動とか泊まりは、友達にお願いしてるの」
たぶん、頼まれてバスケをやっているのだろうな、なんて感じた。友達もやっているから、やりたいと言ったのかもしれないけど、続けるには、どうしても、親の協力が必要だ。
私が子どもの頃は、役員となった保護者が苦労するくらいで、そうでない保護者は、ほとんど、手伝いとかしなかったなー。
今の時代は、移動も保護者の役割になっているので、大変だなー、と思った、
幸い、次女は、そういうのに、これっぽっちも興味がなかった。ついでに、体が弱いので、まず、練習に行っても倒れるのは目に見えていたので、大反対だ。
そういう現状を軽く話つつ、学校のことを質問した。
「Aくん、二者面談はどうだった? 次女から、色々と聞いたけど」
「物凄く注意されて、謝るしかなくて」
「実は、次女もされてて」
「ごめんなさい!!」
謝るしかないよなー。張本人はその場にいないけど。
「夏休み明けてからは聞いてる?」
「Bくんが、もうすっかり大人しくなったって、言ってたの!!」
「次女は、夏休み前と変わらないって」
「そうなの!!!」
「これ、きちんとしたほうがいいよ」
そそくさと、私はその場を次女と離れた。
「ねえ、Bくんって、誰?」
「Aくんと一緒に授業妨害してる子」
他にもいたんかい!!!
次女は、Aくんが友達だし、私も知っている子だから、いうのだろう。だけど、Bくんは、私は知らないし、次女も初めて同じクラスになった子である。
「あと、塾も一緒」
「あー、いたような気がするー」
名前覚えてないけど、いたなー。




